山行日:2011.5.3
目的地:坪入山
コース:国道352号保太橋沢左岸付近(6:00)~巽沢山~家向山西方1520m峰~1420m鞍部~(11:10)窓明山(12:30敗走)~1420m鞍部(12:50)~家向山西方~巽沢山~国道(14:20)


なぜか、坪入山に行きたくなった。
坪入山に行く方法として、三岩岳避難小屋泊で窓明山を経由する方法と窓明山から坪入山へ一日で往復する方法が考えられた。当初は、前者で検討していたが、ネット情報によると、雪に埋まり入れ無かったとか、上部の窓から侵入したとかの記録が散見された。また、当ブログに時折訪れてくれるyamasanpoさんの情報では、かなり雪が多め(至仏山)との事であった。
三岩岳避難小屋に侵入できない可能性が高いと判断した。テントを担いでのスキー滑降は足腰が弱いので無理。窓明山直登コース日帰りを選択した。結果、足腰の弱さを露呈し、窓明山よりの敗走となった。

窓明山のスキーは2回目。一回目は、栃木県山岳連盟の山スキー講習会で三岩岳経由のコースだった。岳連の御大がお出ましになり、若手講師陣数名と生徒数人で行った。3月初旬の重い雪を若手講師陣がラッセルにつぐラッセルを敢行するも、山頂に達する事はできなかった。随分昔の話である。

前夜自宅を出発。山王峠のソースカツ丼屋が閉店していた。峠を下った先のコンビニも何故か閉店していた。これには参った。先のヤマザキデーリーストアで、菓子パンを仕入れた。何故か、店主が、「オマケだよー。」と言って、デカイ黒砂糖パンをおいらに放り投げた。ありがたく頂いた。
アルザなんとか、で一夜を過ごす。国道をはさんでトイレがあるのだが、ここの便座は暖かく加熱されているので、つい、ここに寄ってしまう。

翌朝は、寝坊をしてしまった。暖かい便座に腰を下ろすも出が悪い。おかしい。
国道を戻り、登山口へ。保太橋沢を僅かに過ぎたところが登り口である。一本の杭があるが、わかりずらい所である。

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登山口付近は雪が無いので、スキーをリュックにくくりつける。スキーを背負って登るのは大嫌い。

天気は晴れ。ただ黄砂の影響なのか、霞がかかったように薄雲が点在ている。
巽沢山までの登りは急である。スキーを着けたリュックがヤケに重い。テントを担いでいるようだ。


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道々に咲く花。

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傾斜が緩むと雪が現れた。スキーを着けようか・・・。迷った。

結局、巽沢山までスキーを担いでしまった。
巽沢山で靴を履き替える。山靴はビニール袋へ入れ、山頂に放置した。
シールのまま、小さく下り、また登りだす。スキーで歩くのは快適だ。しかし、そんな思いも束の間、雪切れだ。クソッタレと思う。スキーを脱ぎ、スキー靴でギクシャク登る。そしてまたスキーを着ける。そんなことが3回ほど。

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窓明山が見えてきた。う~む、遠いワイ。

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そして、ブナ林となる。雪の量はもう心配ない。

右手に家向山が見えてきた。

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この雪庇の上が家向山に繋がる尾根。(帰りに、うっかり雪庇の左手に滑り込んでしまったのだ。)

雪庇の上から家向山西方ピークを巻こうとしたが、雪着きが悪く断念。家向山西方ピークを目指す。

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家向山西方に繋がる尾根を快適に登る。

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家向山西方ピークに到着。窓明山が見える。まだまだ遠い。ここから下に見える雪庇の崩壊地まで100mを下らなければならない。

シール付き、かかとフリーで強引に下った。この下りで早くもバテル。


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窓明山が少しは近付いた。完全なる曇天となる。バテた。風が無いのが救い。

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もう一息だ。きっとあの雪庇の上が頂上だろう。

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窓明山到着。三岩岳。 随分時間がかかってしまった。 それにしても疲れた。


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南会津の山々。坪入山はこの画像に含まれているのだろうか。

窓明山に到着した時は、すでに坪入山へ行くことを断念していた。ここまで5時間を要してしまった。坪入山往復3時間。家向山の登り返しを考えると、時間的、体力的に危ないと思った。地図と磁石で坪入山
を確認する事さえしなかった。

それにしても、ここの所、妄想的計画と挫折を繰り返しているなぁ。体力不足だねぇ~。

坪入山を諦めたとなれば、時間的余裕がある。窓明山から三岩岳を飽きるほど眺めた。だれか、滑走しないかなぁ。三岩山にも窓明山にも、誰も現れなかった。
疲れのせいか、食欲がわかないワイ。なっちゃんリンゴ味、2本目に突入。

なんだか、さらに暗くなってきた。そろそろ下ろう。

窓明山山頂より往路を滑り出す。なんとも、この上なく快適。ゲンキンなもので、気力回復。誰も居ない斜面で「ウォーッ。」と歓声を叫んでしまった。


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窓明山の雪庇を横目に滑る。

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快適ではあるが、足がもたない。

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疲れるが、楽しい。極楽だぁ~。

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この谷を下れればなぁ~。そんな妄想は、御法度だ。


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この崩壊地の脇をすり抜ける。気持ちいい~。

男女二人が大荷物を背負って登ってきた。坪入~会津朝日か、三岩~大戸沢か。聞きたいところだが、こちらは、滑るに忙しい。

わずか、20分足らずで家向山との鞍部に到着してしまった。なんと条件が良かったことか。

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あの斜面を登るのかと思うとゾッとする。再びシールを貼り、急斜面を登る。

ヒーコラ言って電光型に登る。家向山西方ピークで、なっちゃんリンゴ味2本目が空となる。
再びシールを剥がし滑り出す。まだまだ快適。快適すぎてウッカリ枝尾根に入り込む。浅い沢型を利用して、巽沢山の尾根に復帰。ブナ林で雪が大幅に腐る。しかし、快適。

御夫婦が空身で登ってきた。アイゼンが落ちていなかったか聞かれたが、見覚えはなかった。雪切れとなり、スキー脱ぎスキー靴でギクシャク下る。途中、御夫婦のものであろうザックが2体笹の上に置かれていた。まぁ、この弩グサレ雪にアイゼンは不要であろう。なくした事は、惜しいであろうが。

巽沢山に小さく登り返し、スキー靴から登山靴に履き替える。異常に重くなったリュックに苦しめられながら、急坂を下った。



国道に下山し、桧枝岐に行った。「開山」でオオモリを食って、駒の湯で一ップロ浴びて、御池に向かった。七入は雪の中。yamasanpoさんの情報通りだった。「開山」のオッカサンの話では、雪は少なかったが、3月から雪が溶けなかったとの事だ。関東でも桜の開花が1週間は遅れたものなぁ。
御池に着くと雨が降り出した。明日、燧に登ろうかとも思ったが、なんとなく疲れているし、雨も降っているし・・・。帰りましょ。歳だなぁ・・・。
そして、超小粒となったGWのスキーは終わった。


坪入山は残念であったが、窓明山のスキー滑降は、これまでのスキーの中でもかなり上位の快適さだった。但し、家向山の登り返しは、地形図からは想像できないほど急であった。

坪入山は、もう少し雪が減った頃。でも雪がある時。という微妙な時季を捉え、三岩岳避難小屋を利用して再度計画してみよう。体力無しで鈍足であれば、そんな間隙を突くほか無いだろう。