山行日:2019.11.16
コース:JR吾妻線群馬原町駅(8:40)~番匠坂~岩櫃城~尾根通り~櫃の口~渋滞~(11:10)岩櫃山(11:20)~櫃の口~赤岩通り~潜龍院跡~JR郷原駅(13:20)


今回は岩櫃城がメインで岩櫃山は行きがけの駄賃のつもりであったが、予想だにしなかった紅葉に恵まれ、完全に逆転してしまった。

JR群馬原町駅で、岩櫃城と岩櫃山のパンフレットを仕入れ、出発。なにせ2.5万図では、登路の記載が1ルートのみで不安を感じていたのである。


DSC08726番匠坂
パンフレットに従い番匠坂をユルユルと登る。


人工池に出る。
この辺りで、すでに岩櫃城内に入っているようだ。


DSC08741岩櫃神社
道脇にあった岩櫃神社。






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ネギ畑の向こうに岩櫃山。


岩櫃城案内所のような所が現れる。人々が多くタムロしていた。
ガイド人らしき人が、10名くらいの人々を引き連れて出発。後ろに付く。


DSC08752中城跡
間もなく、中城跡の緩傾斜地に出る。


中城平坦面の脇に竪掘りと思われる底道に沿って登る。爺さんが喘いでいた。


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二の丸付近より。折れを伴った竪掘り。


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岩櫃城本丸。


ガイドのオッサンが、「ここは、紅葉の色付きが悪い山なのですよ」と言っていたが、後にとんでもない誤りである事が露見した。



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本丸付近。

岩櫃城の歴史に関してははっきりしないようだが、江戸時代に成立した書物によって異伝が多数ある。その中で面白いのは、「古今沼田記」「羽尾記」の筋書きだ。井上靖もこの筋書きに沿って「海野能登守自刃」という小説を書いている。

岩櫃城は、越後上杉方斉藤摂津守(越前守とも)が武田方から乗っ取り在城(実は本拠は嵩山城とも)していた。近隣の国衆からの信頼は薄く孤立しかけていた。そんな折、豪勇と謳われた海野長門守・能登守兄弟が羽尾付近で浪人している事を知り、客人として岩櫃城に招き入れる事にした。兄弟は岩櫃城で厚遇された。
12月大晦日。能登守の娘が亡くなり、亡骸を抱えて城門から退出しようとしたが、松飾りの据えられた大手門を通る事は「折柄悪しく」と、城門を閉じられた。怒った能登守は、松飾りを散々に切り散らす。恐れた番人は逃げ去り、斉藤摂津守に事態を告げた。
明けて、正月2日。海野能登守は年始の祝儀をのべに出仕する。斉藤摂津守と盃を汲みかわし、
「それがし、旧冬珍しき刀を求め候。ご覧候へ。」と、氷の如くなる刀を引き抜き、摂津守の額へ。摂津守曰く「天晴れ気散じの打ち物かな、皆々見物せよ。肴参らせん。」と内所へ姿をくらます。
震え上がった摂津守は、その夜越後へ落ち行く。
岩櫃城は無主に成り、海野兄弟は真田安房守(昌幸)に顛末を報告。安房守は「兄長門守に城代」を任命。
  ~おおよそ古今沼田記より~


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本丸付近を抜けると、激しい紅葉の道となった。


そして、道は尾根を外れ、山腹を緩く登るようになった。前方に岩峰が見え、


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キレット状の先に紅葉が見えた。


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おおっ、すごい紅葉だ。


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本日のハイライト紅葉景観だった。


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ヒヒッ・・・。


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足が前に進まんワイ。


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なおも紅葉の道は続く。南側だけは晴れている。


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こんな感じも好ましい。


櫃の口という所で、岩の狭隘部に入り込む。暗く急な斜面を登って、再び尾根に出ると、


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岩櫃山手前の岩峰に着いた。妙義山だろう。


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岩櫃山山頂。オッカサンが必死で下っている。


岩櫃山手前の岩峰から、岩櫃山であろう岩峰が見えた。大勢の人々が山頂に居て、一人ずつ岩場を下っているのが見える。後で聞いたら、13名だそうだ。今行ってもしょうがない。待つ。


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待っている間に、北側の様子。


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20分待ちのち、岩櫃山に到着。真下を見る。後で分かったが、下の緑は潜龍寺跡のようだ。潜龍寺の敷地には武田勝頼が住む予定だったという伝承があるようだ。


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山頂より、密岩コースを覗きこむ。ヘルメット姿の人が見える。


密岩コースを覗きこみ、こりゃぁ、俺が下れるような所ではないな、と思う。



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岩櫃山から浅間山。


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岩櫃山から、手前の岩峰。また、あんな所で滞っている。


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櫃の口に一旦下って、赤岩コースに向かう。こちらも紅葉は絶好調。


赤色の岩の長い鎖場を過ぎ、写真撮りに夢中になっていると、向こうの斜面で、何かゴソゴソと音がする。斜面を観察すると、ムムムッ・・・・。まずいねぇ~。デッカイヤツが2頭いる。幸い、ヤツらは俺に気付き、とんでもない急斜面を登り、消えてしまった。



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熊かと思った。家に帰って写真を拡大して見ると、どうやらカモシカのようだ。アセッテ損をした気分。それにしても目が悪いは。現状カメラのピントは自力では合わせられない。自動焦点にお任せ。


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ホットして、モミジ狩りにいそしむ。


DSC08884潜龍院跡
潜龍院跡に到着。


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潜龍院跡付近からは、岩櫃山の岩峰群が見上げられた。


何度も振り返りつつ、JR郷原駅に到着した。