2012年07月

山行日:2012.7.29
目的地:寒沢宿~太郎山
コース:宇都宮大学日光演習林入口・駐車地(6:30)~新薙登山口(7:10)~林道少し戻る~軽石沢左岸尾根取り付き~1790m広場(8:00)~野門道?~タカノス沢横断(8:30)~1800m軽石沢(9:00)~(9:50)寒沢宿(10:10)~2250m付近薙ぎ(11:50)~(12:10)太郎山(12:50)~新薙登山道~新薙登山口(14:40)~林道~駐車地(15:30)

先々週、取り敢えずは寒沢宿に到達できたが、そこから太郎山に登ってみたかった。「全踏査・日光修験・三峯五禅頂の道」によると軽石沢左岸(原書では右岸)から旧栗山村野門の人々が男体山に登拝した古道があるとの事。今日は、その野門道を辿ってみよう。

本日も、裏男体林道は通行止め。宇大・演習林そばの駐車地から歩き始めた。ちなみに、駐車地は満車だった。
今日は、太郎山がメインなので寄り道はよした。新薙登山口に着くと、マイクロバスで乗り着けた団体さんと、単独氏1名が出発準備中。通行止めではあるが、ここまでは全く通行に支障はない。

おいらは、新薙登山口と軽石沢を確認し、林道を少し戻った。林道がカーブする所から簡単に軽石沢左岸尾根に取り付けた。笹と疎林のなかなかいい感じの尾根ではないか。と思ったらすぐに猛烈な石楠花藪となった。右手に回避し難を逃れたが、石楠花藪の波状攻撃に悩まされた。断片的な踏み跡があるような気がするのだが、はたしてこれが野門道なのか?


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1790m付近で明るい広場に出た。25000図で等高線が僅かに間延している所だ。

一服後、尾根を辿ろうとすると、すぐ左下に下る明瞭な踏み跡が見えた。これが野門道か?想定では、もう少し尾根を辿るものと考えていた。

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迷ったが、この道を辿ってみる事にした。

今日もチャッカリGPSを携行。GPSがなかったらこの選択肢を選んだだろうか?かなり気軽に左下に下った。

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間もなく、タカノス沢と思われる涸れ沢に着いた。

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対岸にはピンクテープなどがあった。

その後も山腹をトラバースするように道が付いていた。時折道を失うも、肝心な所でピンクテープに救われる。


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やがて、1800mで、見覚えのある軽石沢に合流。これは想定外だった。てっきり軽石沢の左岸の高みを進むものと思っていた。

こうなれば、寒沢宿はお手の物。

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どっか~ん。絶壁に行く手をはばまれる。もとに戻る。

前回、左にコースアウトしていたので、今回は右へ右へと行ったのが悪かった。もとに戻ったが、野門道はみつからず。取り敢えず沢筋に沿って歩いた。

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ここは、確実に見覚えがある。安心した。

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そして、寒沢宿に無事到着。

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先週、みー猫さんが撮られていた盆栽。おいらも気に入ってしまった。

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取り敢えず、撮っておいた。なぜか、いたって落ち着ける場所である。

しかし、そうそうのんびりもしていられない。太郎山に向けて出発。石祠・石像の脇を突き抜ける感じで進む。すると、一昨年グルグル歩きまわった広場の一角に出た。寒沢宿から2~3分の所だった。
そして、これも見覚えのある白い河原を見下ろせる位置やってきた。ムムッ、寒沢宿から5分じゃぁないの。なぜか腹が立つ。この白い河原は、やはり寒沢薙であったのだ。前々回はわずかに上方に至ってしまた事が、はっきりと判った。

寒沢薙左岸に沿って登った。
倒木多し。しだいに傾斜が増してくる。

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予想通りの激しい藪が現れる。

が、歩き易い所もある。石柱を発見。境界見出しか?
そして、恐れていた石楠花藪がお出ましになった。右に左にかわすも、正面突破を余儀なくされる場面も。左手に感じていた寒沢薙の気配は消えている。あまり左右に振れると、GPSのお世話になりかねない。それは避けたい。ザックやポケットに枝がひっかかり全然進まん。石楠花藪は波状的に襲ってくる。

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かなわん、と思い右手に逃げ出すと、薙ぎに出た。2250m付近だった。

地図を確認。思ったほどのプレではないようだ。とりあえず、この薙ぎを登ってみよう。

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薙ぎを見上げる。石楠花藪に比べれば、いいとするしかあるまい。

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薙ぎの最上部より。雲が無ければどんな展望が得られたのだろうか。

地図では、薙ぎの上部にガケだか崩落地だかがあるようだったが、そんなものは無かった。薙ぎの終点は、石楠花藪にヨロワレていた。

石楠花を何とか突破すると、藪の上に空が見えた。ようやく山頂が近付いたようだ。枯れた灌木を掻き分けると、山頂北側の尾根に出た。岩がありこれを巻くと、

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山頂の祠の裏側が見えた。そして、足元には人糞が。ひゃ~。なんという歓迎か!

太郎山山頂は、乳白色。誰もおらん。
誰もおらんので、ゆっくりと休めた。満身創痍。全身木くずだらけ。手には、樹液がベットリと。
腕には引っ掻き傷が。シャツを脱いだら、芋虫君が腹の上を歩いてた。
タバコを一服。今日も咳込み、オェ~ッとなる。先週労災病院で肺で検診を行った所、肺に異常無しとの事。咳は、「タバコを吸ってているんでしょ。」の一言で終わった。返す言葉無し。

さぁ~て帰りましょ。帰りは普通コース。

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山頂の石体群。

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楽しみにしていた、お花畑。このコース、初めて歩くのだ。

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名残惜しいなぁ~。

そして、平和なひと時の後に、まさかの下り地獄。トラロープ、ザイルの連続にビックリ。このコースもハガタテコース同様荒れていた。
ギクシャク下る。小雨がぱらつくも密林に助けられる。

満足して、帰途に着いた。

山行日:2012.7.16
目的地:寒沢の宿
コース:裏男体林道・宇大日光演習林分岐(6:00)~御沢の橋通過~小沢を下る~ほぼ御沢右岸~少しだけ御沢~堰堤引き返す(7:00)~林道~林道終点(7:50)~太郎山南の沢に入渓~3つ目の堰堤左岸を登る・枝林道(8:10)~太郎山登山口の本林道(8:20)~太郎山新薙登山口(8:40)~軽石沢?入渓
~(10:50)寒沢の宿(11:30)~新薙登山道1880m付近(12:10)~新薙登山口(12:40)~裏男体林道合流(13:00)~宇大日光演習林分岐(13:40)

この3連休は、どうも天気がイマイチ。最終日に晴れの予報が出たが、遠出はもはや無理。予定の前倒しで寒沢の宿へ行く事にした。
情報では、「裏男体林道通行止め」との事。現地にて、コースを決める事とした。最悪、三本松からの歩きも覚悟した。

現地へ行ってみると、光徳の舗装道から約2km先の宇都宮大学日光演習林の看板の少し先の広場まで車で入れた。次々に車がやって来たが、帰る人半分か。

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出発地点。

さて、どうしよう。御沢金剛峡に入るにはおあつらい向きの場所(のはずだった。)である。御沢を詰め、太郎山新薙登山口に行くことにした。

宇大日光演習林への道に入る。すぐに御沢にかかる橋に出た。涸れ沢だと思っていたが、水がゴーゴー流れていた。橋の脇から入渓したいところだが、岩が小さく切り立ち降りれなかった。林道を進むと、小さな流れが道を横切っていた。この流れに沿い下ると再び御沢に出た。しかし、沢床には下れない。御沢右岸に沿ってしばらく登る。ようやく御沢に降り立てそうな斜面を見つけ、強引に下った。

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やっと降り立った御沢。すでに水の流れは無かった。

両岸とも切り立った岩で、なかなかの景観であった。

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何となく、楽しげな所である。

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大岩の脇などを登ったりした。

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どっかん~。楽しい事は長く続かなかった。振り出しに戻る。

御沢に降りた地点に戻り、右岸を高巻く。

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さっきの砂防堰堤に辿り着いた。アレ、手すりが付いているじゃないの。しかし、今回はその前の水溜りを越せなかったので、手すりは利用できなかったのだ。

そして、またも堰堤が。高巻くも今回は沢に戻れず。結局藪を掻き分け、北側の林道に出た。取りあえず、林道を進む。途中で沢に降りないと目的のコースに出られないのだが、堰堤がいくつもチラリと見え、下る気にならなくなった。

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林道終点。緑の芝生の向こう側が目指していた沢。もう行けんワイ。

腰を下ろし、考えた。目の前の沢が太郎山直下からの沢だ。上部に新薙登山道入り口のある林道の終点があるようだ。この沢を登る事にした。しかし、地図では堰堤の連続だ。だめなら左岸にルートを取ろう。

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初めこそ、こんなショボイ沢だったが、しだいに大きくなってきた。

3つ目の堰堤を左岸際から登ったら、

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こんな事になっていた。もうダメだ。

あきらめて、帰ろうと思ったが、赤い杭が目に入った。なんと、枝林道の終点が目の前にあった。
取り敢えず、この林道を登ってみよう。必ず新薙登山口のある林道に出るに違いない。


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すると、アッサリ本林道(に違いない)に着いた。

ここは、右でしょう。

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そして、かなりアッサリ太郎山新薙登山口に着いた。写真はその10m手前の堰堤。

寒沢の宿は古い日光修験の一大拠点の遺跡である。2年前に到達できなかった場所である。多くの皆様が新薙登山道1880m付近から北東にトラバースし到達している。おいらも同じ方法で歩いたが、発見できなかった。たそがれオヤジさんからは、「磁石の方向を信じ、真っ直ぐに進むべし」とのアドバイスを頂いていた。「今回は、たそがれ流で歩こう」と思っていたのだが。地図を見ていて、思いついた。上の写真の沢沿いに歩けば到達できるのではないかと。
あらためて「全踏査・日光修験三峯五禅頂」を紐解いた。
「一行は軽石沢左岸尾根から寒沢の宿へ・・・」

ムムッ、この沢が軽石沢か。取り敢えず堰堤左側を越え沢に入った。

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最初こそ、穏やかだったが・・・。

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だんだんヤバクなってきた。

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ヒャ!この水溜りは越えられん!

左岸トラバースで足を滑らせた。瞬間、手が深い苔を掴んだ。滑落は免れたが、左手中指が逆爪となった。危ないよ~。
以降、高巻きに次ぐ高巻き。

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難所は終わったようだ。

傾斜が緩くなってきた。地図と磁石に首ったけ。シルバーコンパスの方向は太郎山と小真名子山の鞍部1879m標高点にセットしてある。高度計はすでに1860mを越えている。方向がやや西にずれているような気がする。ずーと本流を辿ってきたはずである。しかし、本流は太郎山西側の薙ぎに繋がっている可能性がある。

う~ん。どーすんべ。

そして、ついに秘密兵器のスイッチを入れてしまった。GPSの示す現在位置は、昨日仕込んでおいたルートから僅か西側にずれてた。1879m標高点は目と鼻の先ではないか。
右手に僅かな高みがあり、これを越えると沢とは言い難いほどの窪状地形となる。GPSのポイントは仕込んだルートにピタリと一致した。窪状をユルユルと登る。ほぼ平坦となる。あたりを見回すと、左手に明るい緑のじゅうたんが見えた。

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ここか!

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護摩壇があった!

石祠と石像が見当たらない(汗)。

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石祠と石像は一段高い森の中に鎮座していた。

緑の絨毯は苔でできていた。
石像は、もっとあるのかと思い、あたりを捜したがこれだけだった。
それでも、この雰囲気は良い。暗い森の中に小さな緑のスポットは得も言われぬ雰囲気を持っていた。光のある日に来られて良かったと思う。

しかし、何か引っかかるものがある。アナログ男としては、地図とコンパスと高度計で、この位置に到達したかった。しかし、最後の最後でGPSを使ってしまった。GPS無しでは、今回も寒沢の宿を発見できなかっただろう。それが、現実である。

帰りは、トラバースルートで帰った。新薙ルート1880m地点にコンパスを合わせ「たそがれ流」に「磁石の方向だけを信じ」歩いた。皆様が見ている「飯場跡」は今回も未見。途中踏み跡、赤テープを見るも全て無視。前回見た境界見出しを発見するも無視。1880mで新薙登山道に合流。
長いだろうと思っていた林道歩きもそれ程ではなかった。

帰りに渋滞にはまる。

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