2010年09月

9/20

4時頃に目が覚めた。テントから顔を出し、タバコを吸う。額にポツリと雨滴があたった。一時的なものだろうと、たかをくくっていた。
今朝の朝飯。

ロールパン2個 198Kcal
スライスチーズ 118Kcal
トマトケチャップ 23Kcal
合計      339kcal

そのうちヤムだろうと思っていた雨はしだいに激しくなっていった。森の木々にあたる雨音がうるさくなった。
5時50分に錫の水場を出発。
深い森の小道を辿る。

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振り返ると、錫ヶ岳か?

やがて、栃木県側が草原となる。「全踏査・日光修験・三峯五禅頂の道」の著者池田正夫氏に「栃木が誇る天空の回廊」と言わしめた尾根にさしかかっているのだろうか。濃いガスに覆われ展望は全く無い。ご夫婦が一組、登ってこられた。よくこの雨の中を登ってきたなぁ。未明はたいした雨ではなかったからかな。
いくつかの頭峰を越える。地図、コンパスは全く使わなかった。尾根上の疎林を進んだり草原で足探りで踏み跡を追った。2296m峰は確認できなかった。白桧岳には山名標示があるだろうと思い進んだ。

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ザレた登りになる。前方にうっすらと標識らしきものが見える。白桧岳か。

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白桧岳と思ったら、白根隠し山だった。確か、以前は山名板が無かった思うが。

白桧岳も判らずに通過していたのか。情けない。と思うと同時に、意外に歩が進んでいた事に安心もした。ここで、一服。気がつくと、カッパの中身はビショビショに濡れていた。風が無いのは幸いだった。


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絶好の好展望を逃し、見覚えのある白樺林に入る。

不審な小屋の脇を抜けると、

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とうせんぼの、白錫尾根入り口・避難小屋分岐に着いた。

前白根山のザレ場を短く登り、最短で下山できる外山尾根に向かった。
お一人登ってきた。また一人登ってきた。よくもまぁ~!このあたり、土砂降りよ。
外山分岐より、湯元に向かって急降下。道は泥水が滝のように流れている。予想通りのイヤな降りとなった。急斜面、倒木、泥水。
雨具がチギレだした。25年使用の水をよく通すナイスな雨具。これで、お別れだな。
幾分傾斜が緩んだと思ったら、傘をさしてご婦人が登ってきた。「やめたほうがいいんじぁありませんか」とおせっかいにも言ってしまった。ご婦人は涼しい顔で登っていかれた。
すぐにスキー場トップ。なおも急斜面を下り、ようやくスキー場緩斜面に出た。

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気がつくと、雨は小雨に変わっていた。

湯元バス停で、チギレタ雨具を脱ぐ。全身グチョグチョ。全く雨具のようを足してなかった。風が無く、気温が低くなかったので助かった。

気が引けたが、濡れた尻でバスのシートに座った。



残った食料は、
ロールパン     1個
バターピー   1/3袋
ピーナッツチョコ1/2袋

ガスバーナーを忘れたことが発覚してから5食
摂取カロリーは3573Kcal。
一食あたり714.6Kcal
一日あたり2144Kcal

必要カロリーは1400kcalと思っていたが、家に帰ってから調べると
成人・中程度の労働で2400kcalと出ていた。
いずれにせよ、まぁまぁカロリーは摂取できていた。もらった握り飯とラーメンがでかかった。

錫ヶ岳を後に、今日の泊まり場、錫の水場に向かった。
好展望は、まだまだ続いた。

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大岳から白錫に突き上げる尾根。この尾根、いつか行ってみたいのだ。


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日光白根が、今まで見たことの無い鈍重さで鎮座していた。白根隠し山が伸びやかに三角形の尾根を引いていた。

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燧ケ岳と四郎山・燕巣山

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二重山稜にある池

ところで、ここまでの道程で小さな池を多数目にした。二重山稜の間に水が溜まっているように見える。二重山稜の成因の一つとして、山体のズレがあるようだ。そういえば、大規模に山体がが崩落し、頂稜で急斜面をなし、その下で平原をなしているように見える地形が多い。あくまで、素人目。

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山体崩落?地質学者に聞いてみたい。

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錫ヶ岳を振り返る。

錫の水場は、「山渓社」の地図の位置より少し北側にあるような気がした。錫の水場には誰も居らず、テント1張り分の砂地があった。水場は、群馬県側下って1分の所にあった。細いがしっかり出ていてくれた。

ここで、先ほどもらった握り飯1個と漬物その他を食う。
今日の昼飯。
握り飯1個 推定200Kcal
ロールパン1個
ケチャップ1袋
チーズ  1枚
バターピー2/3袋
合計969Kcal
握り飯は、でかかった。

時間はまだ早い。テントサイトの砂地に焚き木と炭化した木が積まれていた。よからぬ事を思いついてしまった。

晩飯にラーメンをゲット。コーヒーを飲もうとしたが小雨が降りだした。欲望のほのうはあえ無く鎮火した。
今日の晩飯。
サッポロ一番醤油味1個
シーチキンL1缶
ロールパン1個
ケチャップ1袋
チーズ  1枚
合計851Kcal

今日の総カロリー 2159Kcal
ラーメンもでかかった。

結局、人は現れなかった。
やることも無く、水を飲み、タバコを異常に吸い、寝た。

山行日:2010.9.18~20
目的地:錫ヶ岳
コース:9/18西の湖入り口(10:20)~柳沢川の赤い橋~柳沢右岸~No18床固(11:00)~宿堂坊山東尾根~宿堂坊山(13:10)~ネギト沢のコル(13:30泊)
9/19ネギト沢のコル(6:20)~1991m峰(7:00)~荷鞍尾根の頭(7:30)~三林班沢の頭(7:50)~2077m峰(8:40)~2241m峰(10:10)~(11:15)錫ヶ岳(12:10)~錫の水場(12:50泊)
9/20錫の水場(5:50)~白桧岳(?)~白根隠し山(7:30)~避難小屋分岐(8:10)~前白根山(8:25)~外山分岐(9:10)~湯元スキー場(10:10)~湯元バス停(10:30)

錫ヶ岳に行きませんか?日帰りできそうなルートが見つかったので、と誘われてから、かれこれ15年位たつか。当時は(今も)脚力に自信が無く迷惑を掛けることになると思い、断った。それ以来、気になっていた山である。
三年ほど前に日光の峰修行三峯五禅頂の存在を知り、以前に増し錫ヶ岳に対する憧憬の思いが深まった。錫ヶ岳に達するコースを検討するため、白根隠し山や宿堂坊山を訪れた。歌ヶ浜からは白根山よりも錫ヶ岳をよく眺めていた。
その結果、宿堂坊山から前白根への縦走を決意した。ただし、鈍足のおいらでも無理なく歩くため、2泊3日のテント泊を予定した。3連休であって晴れの予報の日はなかなか訪れなかった。そして、今回、3日間の晴れ予報が出たのだ。

9/18
前夜は、仕事帰りが遅かった。パパッと荷造りが成功。いつに無く、アッサリと荷が収まる。
平日通りの起床。今日の行程は短いので気楽だ。外環道は、すでに渋りがち。東北道は、車は多めだが、渋滞することは無かった。日光も秋の行楽前で混雑なし。赤沼茶屋の駐車場にアッサリ入る。
軽装の皆様と伴にハイブリットバスに乗ると、後ろの座席のオバサマに話しかけられる。異常なリュックの大きさが目を引いたらしい。但しテント泊としては、やや小ぶり。限界まで荷を少なくしたつもり。

西の湖入り口で下車。多少遠回りにはなるが、柳沢林道を見送り、赤い橋を渡り、柳沢川右岸に出た。

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橋を渡り、柳沢川右岸を遡る。

No.18床固を確認し、宿堂坊山東尾根の南側を僅かに迂回。低く見える東尾根のタワミに登る。下部で一箇所北側に巻き、後は尾根通しに進む。重荷に耐えかね途中で1回休憩。展望の無い尾根を黙々と登る。
すると、お一方降りてきた。

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宿堂坊山着。あいかわらず、物静かな山頂だ。握り飯2個を食う。

一服後、ネギト沢のコルに向かう。途中、道が途絶えるも赤い鉄板標識に導かれ、今夜の寝ぐらネギト沢のコルに到着。早速、三峯五禅頂夏峯ゆかりの石祠をおがむ。昨年見た時よりも、笹に埋もれている感じがした。そういえば、その時はコルの一部が刈り払いされていた様な気がするが、今回は全面的に腰高の笹に覆われている。キャンプ適地捜しにそこらをうろつく。

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笹が薄く平坦な場所を見つけ、さっそくテントを張る。

水を汲みにネギト沢を下る。5分足らずで水にありつく。テントに戻り、コーヒーでも飲むか。
テントに戻りると、藪がガサガサうるさい。緊張して辺りを見回していると、宿堂坊山の方から頑強な2名が現れた。不動沢のコルからの縦走だそうだ。凄い。彼らは男嶽の宿の石祠の前にテントを張ったようだ。

のんびりとコーヒーでも飲もうと、リュックをまさぐりコンロとボンベとコッフエルを捜す。ボンベとコッフェルはすぐに見つかった。コンロが無い!無い!リュックの荷を全て放り出したが、無いものは無い。血の気が引いた。
あせっても仕方がない。タバコに火を着けた。指先が微妙に震えていた。
このまま帰るか。明日帰るか。計画を続行するか。
このまま帰って、ハイブリットバスの最終に乗り遅れたらシャレにならない。
火を使わずに食えるものをリストアップした。
ロールパン           99Kcal/個×9個=891Kcal
スライスチーズ         59Kcal/枚×8枚=472Kcal
トマトケチャップ121Kcal/100g×(12g×8袋)=116Kcal
シーチキンL          240Kcal/缶×2缶=480Kcal
バターピー      619Kcal/100g×155g=959Kcal
かんそ芋        293Kcal/100g×90g=264Kcal
ピーナッツチョコ       465Kcal/袋×1袋=465Kcal
総カロリー                    3647Kcal

今日の夕食から3日目の朝飯までで合計5食。
3647Kcal÷5食=729Kcal/食
一日当り
729Kcal/食×3食=2187Kcal/日

意外とカロリーを摂取できるではないか。確か成人の一日当りの必要カロリーは1400Kcal/日ではなかったか?ならばいける。
とりあえず、今宵の晩飯は、
ロールパン2個
ケチャップ2袋
チーズ  2枚
シーチキン1缶
カンソイモ1袋
合計843Kcal
けっこうカロリーを摂取できたな。しかし、腹は満たされなかった。水を飲み、タバコを吸いまくり寝るしかなかった。

9/19
4:00に起床。なかなか明るくならない。
本日の朝飯。
ロールパン2個
ケチャップ2袋
チーズ  2枚
合計339Kcal

元々朝飯はさして食いたくないのでこれで満足。今日も行程は短いので、ゆっくり目に出発。それでも、頑強な2人組よりは早い出発となった。
まずは1991m峰を目指す。予想通り、道は消え勝ち。ただ赤い鉄板標識が心強く導いてくれる。笹は膝丈程度。すぐにズボンが濡れ、雨具をつける。比較的快調に1991m峰に着く。

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こんな感じの密林を行く。

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気の早い紅葉。

荷鞍沢の頭を越え、三林班沢の頭に到着。御料局甲界285を確認。さらに密林の尾根を進む。踏み跡が尾根から東側に移った。これに従う。赤い鉄板を見失う。すぐ上にピークを感じ、藪を掻き分け登ると刈り払われた小ピークに登りついた。地面に甲界288の石柱が頭を出していた。さらに西に数m藪を掻き分けると大展望地に出た。2077m峰と確信?した。

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2077m峰からは群馬側、また国境稜線がよく見えた。錫ヶ岳西面の石体群(全踏査・日光修験・三峯五禅頂記載)が見えるような気がした。

2077m峰は白砂のピークで、小岩が露出していた。ここには赤ペンキでうっすらと「スズ」と大書されていた。

小さく下り、再び登りとなる。この辺りよりバテだす。たまらずピーナッツチョコをカジル。半分食ってしまった。約200Kcalを消費。ここで、頑強2名に抜かれる。ここでヘタっていると、さらに女1・男2の軽装パーティーに抜かれる。聞けば、2077mに直接登り日帰りだと言う。涼しい顔をしたベテラングループだった。おいらのコースもすぐに理解してくれた。精通者のようだった。
2241mの登りは嫌気がさした。笹原となり、赤い標識は極度に少なくなり、踏み跡は足探りとなる。尾根型も乏しく適当に登るしかない。ただし、展望は抜群に良い。

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錫ヶ岳手前の登りより。中禅寺湖と男体山・大真名子山。左端は女峰山と思われる。小真名子山は女峰山と重なるように肉眼で見えた。

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今日辿った尾根。宿堂坊山からの尾根が見えている。遠く石塔尾根の白い峰々も確認できた。

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笹原の急斜面から苔むした森へ入ると錫ヶ岳は近かった。

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錫ヶ岳到着。正直に嬉しかった。

錫ヶ岳山頂には、頑強2名とベテラン精通者3名が休んでいた。おいらは、ザックを放りだした。展望が無いといわれている山頂だったが、僅かに東に出ると、笹原が広がり、表日光連山がよく見えた。三角点は僅か西側にひっそりと埋まっていた。

おいらは、ベテラン3人に2077m峰へのルートを聞いた。懇切丁寧に教えてくれた。3人組みが写真を撮ってくれと云う。錫ヶ岳の標識の前に揃った3人の前に「栃木100名山完登」の手ぬぐいが広げられた。おそらく、女性が達成されたのだろう。晴れ晴れとした顔をしていた。栃木100名山を達成することは容易なことではない。道の無い山や超ロングコースを強いられる山などがある。早速、大佐飛山の事を聞いた。3時出発で、夕方帰着だそうだ。大変だったと言っていた。
3人組みの一人から大振りの握り飯を食わないか、と言われた。ありがたく頂くと同時に、バーナーを忘れたことを言ってしまった。するとザックから菓子パンを出してくれた。しかし、これから帰るとの事。難路なので、もしもの事も考えられる。それは、丁重にお断りした。

すると、若い男女がタイツ姿・軽装で現れた。どこから来たのか聞くと、ヤジノ沢右岸尾根経由でここまで来たという。そしてこのまま湯元まで駆け抜けると。ムムッ・・・。この二人ただ者ではない。もしや、最近超高速で三峯五禅頂夏峯コースを駆け抜けている「su 3777m」さんではないかと思ったら、まさにその通りであった。おいらの、「寒沢の宿敗走記」なども読んで頂いているようで恐縮した。御夫婦で超絶的走りをしていらっしゃる。寒沢の宿には、太郎山から駆け下るつもりのようなので、今後も注目したい。

皆様、三々五々山頂を去っていった。まさか、これほど錫ヶ岳に人々が集まるとは思いもよらなかった。達人たちに会えて嬉しかった。しかし、静寂が戻ると、これが普段の錫ヶ岳なのだろうと、一人納得したのだった。

もう少し山頂に居ようと思ったが、これほど多くの人が訪れているわけだからテント場が一杯になりはしないかと心配になった。スケベ心というものか、そう思うとリュックを背負っていた。

錫ヶ岳の山頂を過ぎても好展望は続いていた。

続く。

山行日:2010.9.4
目的地:中倉山、沢入山
コース:銅親水公園(7:10)~仁田元沢の林道~林道屈曲点(8:00)~戻る~上久保沢出会い僅か上流(8:10)
~1240m付近・尾根に出る(9:20)~1390m峰(9:45)~尾根屈曲点(10:00)~1499.5m三角点(10:10)~(11:15)沢入山(12:00)~(12:40)中倉山(13:20)~仁田元沢の林道(14:20)~水道橋~銅親水公園(15:10)

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足尾町は日光市と合併したのだろうか。中倉山と沢入山は、明らかに足尾の山だろう。足尾の山へ踏み入れたのはブログを開設してからは2回目で、回数はいたって少ない(前回は、袈裟丸山)。便宜上日光の山に入れさせてもらった。

銅親水公園で焼きソバパンを食うと、いきなり便意を催した。駐車場にはトイレが無いので、あわてて下に見える施設に駆け込んだ。便所の入り口の扉を引くが、鍵がかかっていた。切羽詰まっていたので女性用の扉を引いた。ここも鍵が掛けられ、人の侵入を厳しく拒んでいた。元々、ユル腹で、一度便意を催すと、その圧力は2次関数的に増大する。括約筋がその圧力に抗し切れなければ、万事休すである。最早ためらいは許されない。人には言えない所で圧力を解放した。ズボンを上げ正面を見ると、オッサンがこちらを見ていた。致し仕方なし。ひらき直る。


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松木川上流を見る。いい天気だ。

仁田元沢に沿う林道を歩く。快晴。やたらに暑い。入山口を捜しながら歩いていた。候補は2箇所あったが、林道屈曲点まで来てしまった。少し戻り、上久保沢と書かれたカレ沢の西50m位の所にテープがかかっている所から入山した。
道はあった。すぐに見失ったが、再び現れた。色あせたトラロープが掛かり、右手に導かれる。トラロープは2箇所にあった。ロープが無くなり、しばらく行くと、3方向に踏み跡があった。踏み跡の濃い順に辿ったが、結局中央の最も薄い踏み跡が正解だっようだ。すぐに、広く浅い窪地の急斜面となる。よく見ると道がある。獣道も交錯している。ヒト道は九十九折れになってる。屈曲部にはテープがあり、何とか辿れる。厭になった頃、ようやく尾根に辿り着いた。1280m付近だった。

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ようやく尾根に出る。帰りの為に、赤布を縛りつけた。

尾根上ははっきりとした道がついていた。北に進路をとる。すぐに急登となり、1390mの丸いピークに着いた。1499.5m東側のピークが見えた。道は一部、尾根の東側に着いていたが、すぐに尾根上に復帰した。道型が薄くなると1499.5m東方の肩に着いた。中禅寺湖南岸尾根から薬師・夕日岳方面の眺めがすこぶるよい。
ここから西に進路を変え小道を辿ると、わずかで1499.5m三角点に達した。ここも見事な眺めだった。

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1499.5m三角点付近より。中禅寺湖南岸尾根の後ろに男体山が。半月山が立派に見える。社山の南尾根もよく分かる。

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1499.5mより西進すると、まことに美しい尾根となった。皇海山、オロ山、庚申山などが見える。
正面は沢入山だと思って歩いていた。

中禅寺湖南岸尾根から中倉山の尾根を見ると、なにか殺伐とした感じを受けるのだが、そんな印象は吹っ飛んだ。確かに松木川側は草木が途絶えザレているが、反対側は草が生い茂り、潅木が茂る。四国の法皇山脈や後立山連峰などの断層体に面する片薙ぎの山々に似て、とても美しく見えるのだ。残念なのは、その生い立ちが、公害に由来することではあるが。

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砂山と化してしまった所もある。

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沢入山かと思っていたが違っていた。


所で、中倉山になかなか着かない。それらしいピークはいくつかあった。が、山名板などは無かった。
どうやら、通りすぎてしまったようだ。沢入山と思って、ガンバッテ登ったが違っていた。こういう時は体にこたえる。直射日光を浴び汗だくとなっていた。カルピスウォーターを一口飲むつもりがガブ飲みとなり、ここで500mlを飲みきってしまつた。

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三俣山~シゲト山方面と思われる。

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本当の沢入山と思われる。

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本当の沢入山と思われる山頂に、木製の板がかかっていた。ただ、文字は、全く消えうせていた。

沢入山山頂の木陰で、またもやカルピスウォーターをカブ飲みしてしまい。500mlが瞬時に消え失せた。
一服後、すぐ先に行ってみるとすばらしい好展望となっていた。
袈裟丸山、庚申山、オロ山、皇海山、上州武尊山、錫ヶ岳、日光白根山、大平山などが見えた。三俣山、シゲト山なども見えているはずであるが、同定できなかった。
ついに、水筒の水に手を着け、握り飯を流し込んだ。

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皇海山

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頭を傾げた袈裟丸山の峰々。

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大平山と男体山。なるほど、ここから見る大平山膨大な山だ。多くの藪山愛好家が引き付けられる訳が判ったような気がする。おいらには、無理だけど。それに引き換え、おいらのアイドル社山は小じんまりしてるねぇ。

オロ山辺りまで行けるかなとは思ったが、この暑さでは水がもたんワイと思い、アッサリ諦めた。帰りも、好天は続いていた。
慎重に中倉山を捜しながら、山を下った。

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中倉山は、あれだろう。モグサのような岩礫が見える。

やはり、モグサの上には山名をしるすものは見当たらなかった。腰を下ろして、水を飲む。水はあと水筒半分。これほど水を飲んだのは久しぶりだ。これまで、水を切らして地獄の苦しみを味わった事が2回ある。まずいなぁ。
タバコを吹かせていると、何と沢入山の方から人が来た。こんな所で人に出会うとは。やってきたのは、巨大リュックにヘルメットをくくり付けた若者だった。この方もビックリしていた。
仁田元沢を詰め、庚申山とオロ山の鞍部に出てここまで来たそうだ。おいらは、2度ビックリした。
話を聞くとこの若者、ただ者ではない事が判った。ここいらの藪山を相当歩いていらっしゃる。それも、かなりハードな歩きをしていらっしゃる。この若さにして、すでに達人の領域に入っていた。
たとえば、
 ・黒桧岳~三俣山~錫ヶ岳~白根山~蓼の湖畔
など、など。おいらが手の出ない所へ数々と。
「宿堂坊山へは行かれましたか?」と聞かれ、おいらはシメタと思い。「ええ、2回程。」と、冷静を装い答えた。
藪山愛好家との話は弾み、長居をした。まぁこんな機会はめったに無い。
雲が少し出てきた。彼を促し、同時に出発。立ち上がった時、岩屑にマジックで「中倉山」と書いてあるのが目に入った。若者は巨大な荷物を背負い、飛ぶように降っていった。あっという間に見えなくなった。老人は、冷えた足を引きずりギクシャク降った。

1499.5mの肩で、方向を定め降る。1390m峰下の左方の枝尾根に乗らなければと思い、緊張して降る。思ったとおり尾根が2方向に分かれたので、左の尾根に乗る。しかし、様子がおかしい。朝登っていたときは鮮明な踏み跡があったのだが、ここには無い。山腹をトラバースし右手の尾根に向かう。鮮明な踏み跡があった。しばらく降ると、朝結びつけた赤布を発見した。どうやら、自分が思っていたルートで登っていなかった事が、ここで判明した。なさけないねぇ。
尾根から別れ、踏み跡を丹念に辿り、林道に辿り着いた。
見上げると、山々に雲がかかっていた。水筒の水は底水だけとなっていた。


久しぶりに晴天に恵まれ、好展望の山を満喫できた。今回もまた、たそがれオヤジさんの記事がきっかけとなった山行だった。中倉山から続く尾根は、並外れて美しい山に見えた。山で出会った若者もそう言っていた。

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