2009年06月

山行日:2009.6.20
コース:宝川林業試験地観測所(7:30)~林道終点(8:10)~(9:00)朝日岳渡渉点(9:30)~広河原~大石沢出会~(12:15)朝日岳(13:00)~笠ヶ岳(13:50)~白毛門(14:40)~土合橋(16:30)



ようやく、新潟に晴れのマークが付いた。谷川連峰に行こう。
というわけで、以前敗走を繰り返した宝川~朝日岳往復コースに出かけた。

家を出ると、天気予報とは裏腹に曇天であった。赤城SAで朝の営みを済ませると霧雨が降ってきた。またまた、ダメか。と思いつつも、登山口に向かった。

宝川林業試験地観測所前の駐車スペースには、一台だけ車が止まっていた。
宝川の上流に僅かな青空が見えた。一安心。

靴など履き替えていると、何処からとも無くオッサンが現れ、「釣りかね?」と聞いてきた。「朝日岳まで行きます」と言うと、「そうかね、ここで釣り券を買えば2000円、沢の中だと2500円だよ」。さらに、「最近は、山だと言って釣りをしている者がが多い」と付け加えた。山の様子などを聞くと、今年は1m以上積雪が少なかったそうだ。観測所前の枝沢の流れを指して、「だから、水量も少ないでしょ」。

この話を聞いて、安心した。宝川渡渉点の水量を心配していたからだ。


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歩き出す頃には、青空が増し、宝川も明るい。水量は少ない? オヤジの話を信用しよう。


林道終点からは、宝川の水線の大分上を高巻く。地図には現れない細かい上り下りで早くもバテの兆しが。

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花などを見ながら気を紛らわせる。けっこう咲いている。


宝川に降り立ち、驚いた。

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朝日岳渡渉点。飛び石伝いに渡れるような状態ではなかった。写真では分からないが、すごい勢いで水が流れていた。

川を上に下に歩き回り渡渉できそうな場所を探した。
上流に流れの緩やかな所があったのでそこへ向かおうとしたが、5m程のヘツリが岩ゴケでツルツル。はだしになりチャレンジするが、だめ。
意を決し、はだしで、ズボンをマクリ上げ川に入る。たちまちバランス崩しかける。水深は膝上程度だが流れが速い。踏ん張っていると水の冷たさに足が耐えられなくなり、岸に戻る。
足が暖まってから、もう一度川に入る。上流側に体を向け、流れに耐えながら一気に渡った。足が冷たい。温まった石の上を歩き、足を癒す。と、石がぐらりと。足首を軽くひねった。それほどの痛みではない。

渡渉に約30分を要す。
靴を履き、一服。渡ったはいいが、帰りが嫌だなぁ。と、思う。

なおも、宝川に沿って道はつづく。

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たくさんの花が咲いている。こんな花や。

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こんな花が。

枝沢を何本か渡る。凍りついた雪渓をビクビクしながら渡る。2980円の登山靴もどきでは、とてもキックステップは刻めない。

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大石沢出会いを飛び石で越えると、何の前触れも無く急登が始まる。

すでに、ここまでに精神的・肉体的にダメージを受けていたので、あっという間にバテの神に取り付かれた。

ツツジなどで心が癒されるはずなのだが、今日は帰りの心配が脳裏から離れない。

いつしか、潅木帯となる。

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正面に朝日岳が見えてきた。


宝川をはさんで、布引山、雨ヶ立山なども見える。
そして、岩の露出した草原に達すると、花・花・花となる。

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こんな花。

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こんな花も。

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笠ヶ岳方面。ここには笠ヶ岳は写っていないようだ。

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今冬、雪が少なかったとは言え、周りの斜面には雪渓がけっこうある。


この暑さでは、雪はどんどん融けるだろう。
すると川は、さらに増水するのでは?

などと、よからぬ方向に思いが馳せる。

朝日岳から白毛門、土合に下ろう。
車はタクシーで回収すればよい。

そう、決めた。

明るい尾根を明るい気持ちで登った。が、そんな気持ちも束の間。
片斜面の笹の切り払いを登っていると、足の甲が痛み出した。渡渉後、足を乾かしているときに、浮石でグキリとやったところだ。

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痛みをこらえて登ると雪田にでた。

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雪田下の流れに咲く花。加川良の「コスモス」という唄を思い出した。


雪田の先に道が見えない。
勘で、雪田の左から登る。雪田の上からも道は見つからなかった。稜線はもうすぐそこにあると確信し、藪に突っ込む。
「這い松・石楠花・笹」の「藪御三家」の揃い踏みだった。笹はまだ勢いを増していなかったので、笹の濃い所を選んで漕ぐ。ジャンクションピークからの縦走路が右手に見え出した。ヒョッコリ朝日ヶ原の一角に飛び出した。
女性が一人いらっした。ビックリしたような顔で、そそくさとジャンクションピークに向かっていった。すごい体力。

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稜線上からは、宝川へ木道が分岐していた。なぜこの道が見つからなかったのだろう。勘が悪いから。地図をよく見ていないから。

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稜線では花が咲き乱れていた。

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山頂に到着。


四半世紀ぶりに訪れた。はるか昔、白樺尾根から登り、雪の朝日ヶ原にテントを張った。


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山頂もまた、花が咲き乱れていた。


昼飯を食っていると、男性二人が登ってきた。
少々、長居をして、山頂を後にする。


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七ツ小屋山と大源太山。谷川岳はこの日ついに姿を現さなかった。


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兎に角、花が多い。


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いくつかのピークを越えて、笠ヶ岳に。


いつしか、雲量が増えてくる。

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花は次から次へと咲いている。こんな時、おしゃべりなオバサンが居ると良いのだが。


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白毛門に着くと、周りは雲に覆われていた。


白毛門の急な下りに苦しむ。足の甲が痛い。
右手に湯檜曽川の白い河原が見えてくると、土合橋は近かった。


バスに乗り、水上に出て、タクシーで車を回収した。

長い一日が終わった。

プログを開設し、一年がたとうとしている。これまで、中禅寺湖南岸尾根の記事を3回も投稿してしまった。今回で4回目だ。

目立つ山頂は無い。
しかし、何度でも行きたくなる尾根道だ。
美しいのに人がいない。
なぜだろう。
不思議だ。
鹿糞が多いからだろうか。


上野島ルートの上部はまさに天上の楽園だった。


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笹原と疎林の中をあちこち歩き回った。


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雪消えした温泉ヶ岳~白根山~錫ヶ岳の県界尾根。


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右から、男体山・太郎山・山王帽子山・於呂具羅山。


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喜び勇んで滅茶苦茶に歩き回っていると、左手に社山との鞍部が見えた。


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振り返ると、社山・黒桧岳の道標があった。ついに、登山道と合流した。

タバコを吹かし、喜びに浸る。

社山に行こうか、黒桧岳に行こうか。
黒桧岳に行こう。


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黒桧岳に続く美しい尾根には、足尾側から雲が上がってきている。中禅寺湖南岸尾根が、日光への雲の侵入を何とか堰き止めている。

先を急ごう。


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途中、シロヤシオの大群落が咲き誇っているが、うまく写真に撮れない。


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先行者がお一人。この方の足跡以外は、羊蹄類のものだけ。
雲が押し寄せてくる。


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お気に入りの草原で、昼飯とする。
幸い、雲は切れてきた。


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おいらの食料の全て。

青い水筒は、かつて北千住にあった駒草山荘で購入したもの。高校生の頃に買ったのだから30年以上の付き合いだ。駒草山荘で買った登山用具の最後の生き残りだが、最近ホーローが浮き出し、よく見るとデコボコだ。
駒草山荘のオヤジは親切だった。谷川連峰の各小屋に懸かる鐘は駒草山荘のご主人の寄贈によるものだ。
この水筒は大事に使おう。

鹿が1頭現れたが、こちらの姿を確認すると、疎林の中に走りこんでいった。




黒桧岳に着くとなんと、20人ほどの団体登山グループと鹿がいた。人の数にも驚いたが、この人の群れの中に鹿が紛れ込んでノホホンと草を食っている姿にあきれた。
こいつには、以前にも会ったことがある。全く人を恐れないふとどきな鹿である。
20人の団体が去ると、鹿とおいらだけが残された。
気味が悪いので、普段余り行かない本当の黒桧岳の山頂に行った。ここで休憩。


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そろそろ下山しようと、ニセの黒桧岳に戻るとまだ鹿がいた。20人が居たときはノホホンとしていたが、今度はおいらを睨みつけている。こちらも負けじと豪快な放屁をかましてやった。すると、ヤツは目をそらさずこちらににじり寄ってくる。
たまらず、森の中に退散。おいらが鹿で、鹿が人間か。

登山道に復帰し、山を下る。


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石楠花の咲く暗い道を下る。


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シロヤシオのじゅうたん道を下る。


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そして、明るい中禅寺湖畔に辿りつく。


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千手ヶ浜では九輪草が咲いていた。


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ズミの花を愛でて、船着場より、船に乗り立木観音に戻った。


高速道路で大渋滞にはまり、疲れ果てて帰宅。

それでも、中禅寺湖南岸尾根上野島ルートに大満足した一日であった。このルートを紹介してくださったブログ管理者の方にお礼を申し上げます。

あっ、宿堂坊山のことをすっかり忘れていた。

山行日:2009.6.7
目的地:中禅寺湖南岸尾根
コース:歌ヶ浜(6:50)~阿世潟(7:40)~上野島(8:05)~1557m(9:20)~1633m(9:55)~黒桧岳・社山縦走路(10:20)~(11:15)平坦地(11:50)~大平山の別れ(12:15)~黒桧岳(12:30)~千手ヶ浜14:35)


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今日歩いたコースの道の無い部分

今日はようやく晴れそうだ。宿堂坊山に行ってみようと、勇んで家を出た。
いろは坂を登ってると南側が曇り、北側が晴れのように見える。

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明智平から男体山はよく見えるが、


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反対側は雲に覆われている。

路面も濡れている。
宿堂坊山へは柳沢川渡渉ルートを考えていた。
渡渉で苦労したくないなぁ。
などと、ものぐさな心が芽生えだした。
中禅寺湖辺りは晴れてはいるものの、水溜りがあった。
今日は、宿堂坊山はよそう。
変わりに、大好きな社山に行こう。
と、言うわけで歌ヶ浜の駐車場に入った。
釣り人で溢れかえっていた。

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歌ヶ浜からの社山。この時は快晴。

けっこう晴れてきた。
阿世潟の浜に出てみた。

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今日も男体山が美しい。左に上野島が見える。

上野島を見て思い出した。
かつて、ブログで紹介されていた道の無いコースを。
再び予定変更。上野島ルートで中禅寺湖南岸尾根に上がってみよう。

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湖畔にはツツジが咲き誇っていた。

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上野島近くの岬にもツツジが咲いていた。この岬から中禅寺湖南岸尾根を目指した。

何の変哲も無い斜面と思い取り付いたが、以外にも急で足場が悪く50mほど苦労した。
傾斜が落ち着くと、藪も無く歩きやすかった。

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下に中禅寺湖が見える。

やがて、石楠花の密林となるが、尾根を右に左に巻き、石楠花帯を突破する。

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石楠花帯を突破すると、こんな感じの尾根や、

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こんな感じの尾根で歩きやすい。ただし、踏み跡ここまで無し。獣道のみ。

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1633m付近はシロヤシオが満開。


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樹間から太郎山などが見え出した。

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戦場ヶ原も見える。

最後の急斜面には、僅かな踏み跡があった。傾斜が緩むと笹原と疎林の美しい尾根となった。

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登山道まではもう一息で着きそうだ。



今日はねむいので、つづきはまた明日。

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