2008年10月

山行日:2008.10.26
目的地:中禅寺湖畔
コース:歌ヶ浜(7:10)~千手ヶ浜(11:30)~菖蒲ヶ浜船着場(13:20)

先週に引き続き、中禅寺湖に来てしまった。前回と異なり、空模様は怪しい。男体山、白根山ともよく見えるが、雲が厚く薄暗い。シゲト山に行くつもりだったが、天気が悪いので予定を変更し、中禅寺湖の南岸を散策することにした。
歩き出すと、すぐに霧雨が降ってきた。雨具を出すほどではない。八丁出島の紅葉も盛りを過ぎ、先週ほどの冴えは無い。
阿世潟付近は道がはっきりしない。明瞭な広い道を行くと山に引き込まれる。赤い小さな杭が目印だ。
猿の群れが木をゆすり、威嚇している。近くで鹿がキョイーンと鳴いている。津軽の民謡では鹿がホロホロと鳴くことになっているが、鹿はキョイーンとかキョンとか鳴く。必ず「キョ」が入るはずである。
今日は紅葉をめでながらゆっくり歩こう。冴えた紅葉は無いけれど、落ち葉を踏みしめ、晩秋の最後の紅葉を楽しむのだ。

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阿世潟の先の紅葉。落葉を踏みしめてゆっくり歩こう。


いくつかの岬をめぐり、入り江を辿る。ポツポツ降っていた雨はいつのまにかあがっていた。ところどころ真っ赤な紅葉が残っている。真紅の紅葉は気持ちが高ぶります。


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少々暗い。  真っ赤な紅葉は大好きです。


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白岩の先で


俵石の手前で(多分)白根隠し山が見えた。見事に白根山を隠しているではないか。

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白錫尾根に白根山が見事に隠れている。奥の山が白根隠し山であれば個人的に嬉しい。



千手ヶ浜に11:30到着。昼飯とする。先週ほどの賑わいは無い。カヌーが3艇おいらの目の前にやってきた。ガイド付きのツアーのようだ。
味噌汁をススリ、そそくさと出発。北岸に出ると、いくらか色の残りがいいようだ。

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赤岩の先で。


のんびりとモミジをみながら湖岸を歩いていると、菖蒲ヶ浜に着いた。あせらず歩けば意外と早く着くものだ。船着場で350円のコーヒーをいただき、気分はあくまで、のんびりと。13:50の船に乗り、歌ヶ浜に帰着した。あたりは幾分明るくなっていた。

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船着場からの菖蒲ヶ浜付近



とりあえず、心、穏やかに帰ろう。

ちなみに
渋滞は全くしていませんでした。いろはの下りが少々ノロノロの程度。
西方PA付近から、茜色の空とシルエットの女峰、男体、白根が見えました。また、袈裟丸連峰と思われる鋸歯状の尾根が見えました。本当に袈裟丸だったのだろうか。

つづき

10月19日に快晴の中禅寺湖南岸尾根(阿世潟峠~社山~大平山~黒桧岳)を歩いた。

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日光白根山から錫ヶ岳の尾根を遠望

白樺に囲まれた草原で昼飯を食い、以前から行きたかった大平山に向かう。
黒桧岳との分かれで、笹原に突っ込む。道は全く無い。笹はおおむね膝程度。深くても腰辺りまでである。岡山の山のブッシュに比べたら全く問題ない。これしきのブッシュでひるむおいらではないのだ。勇んで前へ進むと、スネに激痛が走り、もんどりうって前のめりに一回転した。笹の中に倒木があったのだ。弁慶の泣き所というではないか。涙が出るほど痛い。気を取り直して前へ進む。再びスネに激痛が走り、もんどりうった。笹原に座り込み、痛みの納まるのを待った。
その後は慎重に進まざるを得ない。足で前をまさぐり、ゆっくり進む。広い笹原を小さく降り、再び登りになると尾根型がはっきりしてくる。よく見ると、かすかな踏み跡も現れてきた。小ピークに着き、あたり見回すが山頂をあらわす物は何も無い。念のため、少し先に進むと、一段高くなったところがあるのでそこを目指す。高みに着くと、先客がいた。お互いこんな所で人に会うとは思っても見なかったので驚いた。先人は宇都宮の人で、松木川から道無き尾根を登ってきたと言う。脱帽いたします。
大平山山頂には、標識があった。眺めはお世辞にもいいとはいえないが、松木川側が見渡せる。

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大平山山頂は地味だった


来た尾根を慎重に戻り、中禅寺湖南岸尾根にたどり着き、黒桧岳に向かった。黒木の森に入ると、落ち葉でルートを見失い勝ちになる。黒桧岳に13:30に着いた。あせった。
菖蒲ヶ浜の船に間に合わないではないか。船に乗れなければ、恐ろしいほどの渋滞で、いつバスに乗れるかも分からない。とにかく何としても15:50の船に乗らなければならないのだ。一目散に山を降りるが、おいらの足は遅いのだ。それでも全速で下る。中禅寺湖に降りついて紅葉も美しいがそれどころではない。歩く、歩く。

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千手ヶ浜手前にて 紅葉を堪能することもできず


千手ヶ浜着14:50。ここから菖蒲ヶ浜まで3.8kmとある。何とかなるかもしれない。タバコを一本吹かし、再び歩く歩く。


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千手ヶ浜からの男体山  タバコを吹かしながら1枚撮る


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千手ヶ浜付近の紅葉  こんな美しい紅葉もゆっくり堪能することもできずに


高山への分岐付近は特に紅葉が見事であったが、それをやり過ごし、赤岩を登る。ようやく菖蒲ヶ浜が見え出した。国道に着くと、15:50だった。万事窮す。
国道は予想通りの渋滞。ベタ留まり状態だ。いつバスが来るとも知れず、中禅寺湖畔をトボトボトと歩くはめに。やがて太陽は黒桧岳の肩に沈んでいった。


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今日たどった中禅寺湖南岸尾根に日は沈んでいった


歌ヶ浜に着く頃にはあたりはすでに暗闇だった。何はともあれ、初めて中禅寺湖を完全一周した。これも善しか。

家に着き風呂に入ると、スネがしみる。右足は血が滲み、左足は青く腫れていた。大平山に足払い一本を決められたと言うことだ。

山行日:2008.10.19
目的地:大平山
コース:立木観音(7:20)~阿世潟峠(休)~社山(休)~窪状地の草原(11:3    0休)~大平山(12:40)~黒桧岳(13:30)~千手ヶ浜(14:5     5)~菖蒲が浜船着場(15:55)~立木観音(17:10)

今年も紅葉シーズンが到来し、早速見所満載の中禅寺湖南岸尾根に出かけた。7:00には歌ヶ浜の駐車場は満車であった。半月山に向かう車の列が、立木観音までつながり、ゲート開きを待っているようだ。
出発は遅れ7:00をゆうに過ぎていた。快晴だ。いつものように男体山を撮る。

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出発地点の歌ヶ浜駐車場


イタリア大使館別荘に向かうが、例年より人が多い気がする。八丁出島の紅葉が出迎えてくれる。おいらの撮影ポイントは、すでに他の人に占領されていた。残念。

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八丁出島の紅葉  奥に白根山が顔を出している


阿世潟峠に向かうが、結構人が多い。狭い峠には何組か休憩していた。樹間に中禅寺湖が見えてくる。急坂を登りアンテナの小岩峰でも人が休んでいる。

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中禅寺湖と男体山 群青色の湖面がなんと美しいのだろう


足尾の山々もはっきりと見えてくる。

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足尾側の尾根の紅葉  今年は特に美しい


急坂をさらに登ると、太郎山や戦場ヶ原が見えてきた。

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男体山、太郎山、山王帽子山


社山山頂をやり過ごし、すぐ先の草原で一服した。大勢の人が休憩している。これから行く中禅寺湖南岸尾根の核心部が良く見える。社山の先に行く人はほとんどいない。もったいない。
社山を下ると毎年赤く紅葉するツツジがある。

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黒桧岳の黒木の森が遠くに見える


ザレた斜面の下からは水の流れる音がするが、まだ行ったことは無い。
急斜面を登りきると、黒桧岳方面から一人やってきた。聞けば社山からの縦走途中で道に迷い、来た道を戻るという。途中でトラバースしたようだ。この尾根道はトラバースの踏み跡をよく見かけるが、獣道のようで入らないほうが良い。
ウネウネと尾根道を進むと、開けた草原に出る。良く鹿を見かける所だ。ここで昼飯とした。白樺が青空に映え美しい所だ。思わず北国の春を口ずさんでしまったが、今はもう秋なのだ。誰も居ない海ではなく、山なのだ。人も通り過ぎないのだ。静寂そのものだった。

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♪白樺~あおぞおら

続く

山行日:2008.10.12
目的地:唐松岳
コース:八方池山荘(泊6:40)~八方池(7:30休)~唐松岳(10:10休)~
    八方池(12:30休)~リフト

2006.10.9に同じコースで唐松岳を目指したが、前日までの大雪で下の樺の先で敢え無く敗走した。その時の反省から、今回はスキーストック、アイゼン、油を塗りたくった革靴を準備し出かけた。

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2006.10.9の八方尾根からの五竜岳と鹿島槍

八方のゴンドラ乗り場に着くと、小雨が降っていた。リフトを乗り継ぎ、八方池山荘に宿泊した。早速ビールを飲もうとリュックを開けると、中がビチャビチャに濡れていた。ムムムッと思いながらビールを探し出すと、何とアルミ缶に穴が開いていた。ガックリ。アイゼンの歯が当たっていたようだ。2/3に目減りしたビールを飲み干し、ザックの中の物を乾かした。幸い宿泊者が少なく、この事件に気づく者はいなかった。

翌日6:00に飯を食っているときは、ガスが深く、何も見えず、ガックリ。しかし、出発する頃には急速にガスが切れ、五竜岳などが見え出した。しかし、雪は全く無い。ガックリ。おいらの重い装備はどうするのさ。

歩き出すと、白馬三山などが次々にガスの中から現れた。あっという間に快晴となった。
紅葉の盛りは過ぎているようだが、陽が当たると、山裾のもみじが美しい。五竜、鹿島槍もはっきりみえてきた。一昨年の景色とはまるで違うが、雪がなくてもメチャクチャ寒い。

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五竜岳と鹿島槍の揃い踏みだ。

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八方池手前に残っていた僅かな紅葉と白馬三山

八方池に先着の人が二人いた。三脚カメラを固定し、池のさざなみが納まるのを待っている。お決まりの構図ながら池に映し出される白馬三山や不帰ノ険は美しい。素人のおいらもバカチョンを押しまくってしまった。(出来栄えはイマイチ:悲しい現実)

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八方池と不帰ノ険   何が悪いのか美しく撮れないのが悲しい。

写真家のお二人はまだまだねばっているが、寒さのせいもあり、陽当たりを求めて出発する。下の樺を過ぎ、尾根の側面を行くようになり一昨年敗走した場所に達した。何のヘンテツも無い所だった。丸山ケルンとおぼしき所を通過すると、ザレたトラバースとなり、唐松山荘に到着。黒部川対岸の山々が見える。休まず、山頂へ向かう。

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唐松岳山頂からの剣岳。

とにかく、遠望が利く。剣岳など、八峰、大窓、小窓、チンネなど細部に渡ってよく見える。見えた山で名前が確認できたのは、白馬三山、剣、立山、薬師、水晶、槍、穂高、五竜、焼山、火打、妙高、乙妻、高妻、八ヶ岳、甲斐駒、北岳など。そして、富士山が八ヶ岳と南アルプスのはざまからニョッキリと顔を出していた。フォッサマグナの谷の先に富士山があるのだ。
おじいさんが寒さのためか、ギクシャクした動きで山頂を下っていった。おいらも寒さに耐えられなくなり、帰途に着く。降り始めると、後から後から人が登ってきた。登り優先なので道を譲っていると、寒さのせいか、おいらもギクシャクしてきた。最後までギクシャク下った。八方池周辺は、観光客と登山者でごった返していた。リフト乗り場につくと、30分のリフト待ちであった。足で下る気力はすでに失せていた。ストックとアイゼンと革靴がむなしい。

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