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前日、峰の茶屋を越え三斗小屋温泉大黒屋に泊った。


未明3;30に起床。タバコを吸って、クソをして、懐中電灯の明かりで荷物をリュックにホッタリ込んだ。

玄関で靴を履いていると、従業員氏が現れた。
何年か前の烈風の峰の茶屋越えの話をすると、従業員氏も覚えていた。
地元山岳会のメンバーと従業員氏とで、厳冬期の峰の茶屋越えをした事がある。その時は烈風が吹き荒れ、歩く時間よりも耐風姿勢で這いつくばっている時間の方が長かった。従業員氏は帽子とメガネを吹き飛ばされたし、俺もゴーグルを吹き飛ばされた。そんな思い出話しに花が咲き、出発時間は遅れてしまった。

薄暗がりのなか、4;30に出発。
天気は曇りのようだ。強風が森の木々を揺さぶっていた。
峠沢の先は根曲がり竹が覆いかぶさっている事が多いが、最近草刈が行われたようで、刈られた竹が道を埋めていたので歩きやすかった。



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大峠。お決まりではありますが。



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大峠にて。


大峠でロールパン1個を食う。食欲乏しく、お茶を飲んで流し込む。多くの花が咲いていた。



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流石山の登りにて。那須の主稜線は雲の中。



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花を愛でながら、



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じっくり登るしかあるまい。


肝心のニッコウキスゲは影も形もなし。その痕跡すらなかった。



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流石山を越えて。



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大倉山へ向かう。向かい風が吹き荒れ、暑くはない。大峠までで搔いた汗は乾いていた。



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一瞬の剣が峰。源泉の湯煙りと三斗小屋温泉が確認できる。



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大倉山直下よりガスに巻かれる。湿った霧が灌木で凝結し、ずぶ濡れとなる。



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大倉山手前で、疲れ切ったニッコウキスゲを発見。



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大倉山到着。スブ濡れで強風。寒い!ロールパン1個を食って、オサラバ。



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アッサリと三倉山に到着。ロールパン1個を食ってオサラバ。




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三倉山を越えると、男鹿山塊が見えた。



三倉山の先は、前回とは異なり針葉樹、灌木が登山道にせり出し歩き難い。かつて、ガイド本には「三倉山の先は草深く難路」と書かれていたが、難路とは言い難いまでも、往古の姿に戻りつつあるような感じ。

せり出した灌木を避けようと右によけた所で、道が崩れ、道から転落。密林だったので、落ちたのはせいぜい1mほど。怪我もなくホットする。


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唐沢山(空沢山)に到着し、三倉山の方を振り返る。唐沢山は雲の下。



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唐沢山から下郷町音金地区を俯瞰。ロールパン1個を食って、オサラバ。



唐沢山からの下りにアエグ。
右足がしびれていて力が入らず、下りが弱いのである。


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尾根を下りきって、沢状に入る。昭文社2012度版のルートとは異なる。昭文社ルートは、とうの昔に廃道。現在は昭文社記載の「稲荷神社」に向かうルートとなっている。


ここまで来れば、安心と思っていたが、その先の窪状ゴロゴロ道に苦戦。


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アジサイ地帯。


唐沢山からの下りで、バテバテとなる。

アジサイ地帯を抜けて、草ボーボーの廃林道に到着。ヤレヤレ。


と思ったが、右手からガサガサ音が。少し進んで右手の森を見ると、熊さんが居った。ひぇ~。俺は後ずさりして、根曲がり竹を介して熊さんの視線から外れた。少し間を置いて、「お~い」小さく呼びかけて、前へ進んだ。ムムッ・・・、熊さん、しっかりこちらを見ているのネ!まずい、再び後ずさりして、根曲がり竹の影に退避。距離20mくらい。う~む、汽車の時間が気にかかる。1本逃すと、2時間待ち。ど~すんべ~。
もう一度、小さく「お~い」と呼びかけて、前進。ありゃ~、熊さんしっかりこちらを見ていらっしゃる。動く気配無し。俺は視線を熊さんのいる右手から正面に移した。しかし、目玉だけは右手の熊さんをとらへながら、静かに前進。廃林道がカーブした所で、全力疾走。逃走。後を振り返って、熊さんが居ないのを確認した。助かった~。

てな訳で、村の外れの稲荷神社脇に到着。



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音金集落はギンギラギンの太陽が照りつけていた。振り返ると旭岳も姿を現していた。



駅まで1時間半の道のりをヨレヨレでこなす。楽しみにしていたソバ屋だったが、汽車の時間との兼ね合いで横眼で通過。缶コーヒー1本を飲んで、帰途についた。