山行日:2013.7.20~21
コース:7/20 西の湖入り口(8:30)~赤い橋~宿堂坊山東尾根取り付き(9:15)~宿堂坊山(11:40)~ネギト沢のコル(12:10 泊)  7/21ネギト沢のコル(4:50)~宿堂坊山(5:10)~前宿堂坊山(6:10)~1789m(7:20)~(8:15)三俣山(8:40)~1928m(10:10)~シゲト山(11:00)~1919m(11:50)~黒檜岳(12:50)~中禅寺湖(15:00)~千手ヶ浜バス停(15:30)


できうる事なら、黒檜岳から登りたかった。
前週の3連休にはそのように予定していたが、雷雨の予報にアッサリ延期した。
しかしながら、そろそろ始動しなければ。前夜の帰りは遅く、早起きは無理。反対方向から歩きを決断した。

そもそも、本コースは日光藪山通の方々が漏れなく歩かれている所。とは言え、かなりの長丁場である事からいろいろと工夫されて歩かれているようだ。未明早くから赤沼あたりから歩かれたり、自転車を駆使したりとかして、日帰りで歩かれている。時間的に余裕で踏破されているのはみー猫さんを知るのみである。
おいらは、とても日帰りは不可能。寝不足では全く歩けないし、夜目も利かないし、腰が悪く自転車にも乗れない。根本的に体力が不足している。

従って、最も確実に安全に踏破するには1泊が必要である。宿泊地は水場が近いネギト沢のコルとなる。前夜の就寝時間が遅ければ、宿堂坊山から登りネギト沢のコルに泊まる計画は、おいらにとって必然であった。


7/20
閑散としたハイブリッドバスに乗った。遅いバス時刻にその筋の方々は見当たらない。
西の湖入口で下車。美女がお一人下車された。一緒に歩きだすのははばかれ、タバコを1本吹かし出発。本日は急ぐ旅でもなく、赤い橋で柳沢川を渡った。草叢を宿堂坊山東尾根に向かった。
取り付きは、東尾根南側に沿って少しだけ歩き、東尾根のタワミが見える所。尾根の腹を斜上しタワミに上がれば、尾根に沿って歩くだけ。下部に少しだけ石楠花があるが、北側の山腹を小さく回り込んで、尾根に復帰。
藪は無い。薄い踏み跡様と赤テープあり。


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樹間から表日光連山。


天気は高曇り。展望の期待できないコースにはもってこいのコンディション。荷物が肩に食い込むが、汗はさほどかかずにすんだ。


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ヌタ場。トピックスとなるような光景は少ない。


二重山稜のヌタ場を過ぎれば、山頂は近い。


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山頂直前のグリーンカーペット。


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宿堂坊山。相変わらず、静かな山頂。展望はほぼ0。


宿堂坊山は4回目。展望の無い山頂で4回目ともなると、さしたる心の動きも無くネギト沢のコルに下る。


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男嶽の宿。ネギト沢のコルに佇む室町時代の石祠。


石祠の前は刈り払いがされたのであろうか、幾分笹の丈が低い。ここにテントを張ろうかとも考えたが、なんとなくはばかれる気分を生じ、ネギト沢側に少し下った平坦面に移動。


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テントを設営し、早速酒パックを頂く。


水汲みに行かなくては。
前回は数分で水にありつけたが、今回は正規の水場まで10分弱の下りが必要だった。3つの沢型が集まる所だった。
テントに戻り、ゴロリと横になり2つ目の酒パックに手を着ける。薄い文庫本を読みふける。

読書に集中していたら、いきなり「ん、ギャー」という大きな声がした。あわてて、テントから首を出す。そして「ん、ギャー」がもう一声。何者だ!

靴を履き、あたりを見回す。何者も居ない。そしてまた「ん、ギャー」
鳥ではない。なにか凶暴なけものではないか!!緊張感がたかまった。追い払わねば!
おいらは、強烈な指笛を吹き鳴らした。山々にこだました。そして、指笛に呼応して、「ん、ギャー」
おいらも負けずに指笛を吹いた。奴の「ん、ギャー」が明らかに遠ざかった。追い打ちをかけるように指笛。そんなやり取りを長々と繰り返した。
「ん、ギャー」は去った。
何者だったのだろうか?おいらは、少しの動悸を残してホッとした。

気が付くと、青空が出ていた。

16時半に餅入りサッポロ一番醤油味とシーチキンを食ってテントに戻る。再び読書にふける。

18時頃だったろうか、足音が聞こえ、沢筋を下る様子。水でも汲みにいかれたのだろうか?帰ってきたらご挨拶でもしようかと思っていたが、戻ってくる様子は無かった。あの時間にネギト沢を下るとは・・・。

深夜、「キョン、キョン」の鳴き声に目を覚ます。2頭の鹿がしきりに鳴いている。鹿のテリトリーに入り込んだおいらが悪いのか。鹿が去るのを待つだけであった。


7/21
3時半起床。
まだ暗い。食欲無し。味噌汁とロールパン一個を食った。
テントの撤収に手間取った。ペグいれが無い。ポール入れが無い。いずれも目の悪さが原因だった。
出発は4時50分になってしまった。

ネギト沢のコルから宿堂坊山に戻るのに苦労した。目の悪いおいらに、赤い鉄の目印がなかなか見つからないのである。磁石で山頂を目指した。途中、赤い目印を発見し、薄い踏み跡を辿れるようになった。
宿堂坊山に着くと、下のグリーンカーペットにテントが一張り。


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「おはようございます」と声をかけると、「オーッ」とオヤジ声。


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あれが、今日辿る後半戦の尾根か?天気は今日も高曇り。夏の藪山歩きにはうってつけの天気。

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たまには、少しだけ展望が得られる事もある。



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前宿堂坊山・ヤジの頭。この山頂は、今回の縦走路のピークで最も藪密度が高かった。


途中ですが、もう寝る時間なので・・・。