山行日:2012.7.16
目的地:寒沢の宿
コース:裏男体林道・宇大日光演習林分岐(6:00)~御沢の橋通過~小沢を下る~ほぼ御沢右岸~少しだけ御沢~堰堤引き返す(7:00)~林道~林道終点(7:50)~太郎山南の沢に入渓~3つ目の堰堤左岸を登る・枝林道(8:10)~太郎山登山口の本林道(8:20)~太郎山新薙登山口(8:40)~軽石沢?入渓
~(10:50)寒沢の宿(11:30)~新薙登山道1880m付近(12:10)~新薙登山口(12:40)~裏男体林道合流(13:00)~宇大日光演習林分岐(13:40)

この3連休は、どうも天気がイマイチ。最終日に晴れの予報が出たが、遠出はもはや無理。予定の前倒しで寒沢の宿へ行く事にした。
情報では、「裏男体林道通行止め」との事。現地にて、コースを決める事とした。最悪、三本松からの歩きも覚悟した。

現地へ行ってみると、光徳の舗装道から約2km先の宇都宮大学日光演習林の看板の少し先の広場まで車で入れた。次々に車がやって来たが、帰る人半分か。

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出発地点。

さて、どうしよう。御沢金剛峡に入るにはおあつらい向きの場所(のはずだった。)である。御沢を詰め、太郎山新薙登山口に行くことにした。

宇大日光演習林への道に入る。すぐに御沢にかかる橋に出た。涸れ沢だと思っていたが、水がゴーゴー流れていた。橋の脇から入渓したいところだが、岩が小さく切り立ち降りれなかった。林道を進むと、小さな流れが道を横切っていた。この流れに沿い下ると再び御沢に出た。しかし、沢床には下れない。御沢右岸に沿ってしばらく登る。ようやく御沢に降り立てそうな斜面を見つけ、強引に下った。

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やっと降り立った御沢。すでに水の流れは無かった。

両岸とも切り立った岩で、なかなかの景観であった。

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何となく、楽しげな所である。

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大岩の脇などを登ったりした。

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どっかん~。楽しい事は長く続かなかった。振り出しに戻る。

御沢に降りた地点に戻り、右岸を高巻く。

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さっきの砂防堰堤に辿り着いた。アレ、手すりが付いているじゃないの。しかし、今回はその前の水溜りを越せなかったので、手すりは利用できなかったのだ。

そして、またも堰堤が。高巻くも今回は沢に戻れず。結局藪を掻き分け、北側の林道に出た。取りあえず、林道を進む。途中で沢に降りないと目的のコースに出られないのだが、堰堤がいくつもチラリと見え、下る気にならなくなった。

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林道終点。緑の芝生の向こう側が目指していた沢。もう行けんワイ。

腰を下ろし、考えた。目の前の沢が太郎山直下からの沢だ。上部に新薙登山道入り口のある林道の終点があるようだ。この沢を登る事にした。しかし、地図では堰堤の連続だ。だめなら左岸にルートを取ろう。

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初めこそ、こんなショボイ沢だったが、しだいに大きくなってきた。

3つ目の堰堤を左岸際から登ったら、

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こんな事になっていた。もうダメだ。

あきらめて、帰ろうと思ったが、赤い杭が目に入った。なんと、枝林道の終点が目の前にあった。
取り敢えず、この林道を登ってみよう。必ず新薙登山口のある林道に出るに違いない。


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すると、アッサリ本林道(に違いない)に着いた。

ここは、右でしょう。

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そして、かなりアッサリ太郎山新薙登山口に着いた。写真はその10m手前の堰堤。

寒沢の宿は古い日光修験の一大拠点の遺跡である。2年前に到達できなかった場所である。多くの皆様が新薙登山道1880m付近から北東にトラバースし到達している。おいらも同じ方法で歩いたが、発見できなかった。たそがれオヤジさんからは、「磁石の方向を信じ、真っ直ぐに進むべし」とのアドバイスを頂いていた。「今回は、たそがれ流で歩こう」と思っていたのだが。地図を見ていて、思いついた。上の写真の沢沿いに歩けば到達できるのではないかと。
あらためて「全踏査・日光修験三峯五禅頂」を紐解いた。
「一行は軽石沢左岸尾根から寒沢の宿へ・・・」

ムムッ、この沢が軽石沢か。取り敢えず堰堤左側を越え沢に入った。

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最初こそ、穏やかだったが・・・。

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だんだんヤバクなってきた。

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ヒャ!この水溜りは越えられん!

左岸トラバースで足を滑らせた。瞬間、手が深い苔を掴んだ。滑落は免れたが、左手中指が逆爪となった。危ないよ~。
以降、高巻きに次ぐ高巻き。

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難所は終わったようだ。

傾斜が緩くなってきた。地図と磁石に首ったけ。シルバーコンパスの方向は太郎山と小真名子山の鞍部1879m標高点にセットしてある。高度計はすでに1860mを越えている。方向がやや西にずれているような気がする。ずーと本流を辿ってきたはずである。しかし、本流は太郎山西側の薙ぎに繋がっている可能性がある。

う~ん。どーすんべ。

そして、ついに秘密兵器のスイッチを入れてしまった。GPSの示す現在位置は、昨日仕込んでおいたルートから僅か西側にずれてた。1879m標高点は目と鼻の先ではないか。
右手に僅かな高みがあり、これを越えると沢とは言い難いほどの窪状地形となる。GPSのポイントは仕込んだルートにピタリと一致した。窪状をユルユルと登る。ほぼ平坦となる。あたりを見回すと、左手に明るい緑のじゅうたんが見えた。

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ここか!

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護摩壇があった!

石祠と石像が見当たらない(汗)。

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石祠と石像は一段高い森の中に鎮座していた。

緑の絨毯は苔でできていた。
石像は、もっとあるのかと思い、あたりを捜したがこれだけだった。
それでも、この雰囲気は良い。暗い森の中に小さな緑のスポットは得も言われぬ雰囲気を持っていた。光のある日に来られて良かったと思う。

しかし、何か引っかかるものがある。アナログ男としては、地図とコンパスと高度計で、この位置に到達したかった。しかし、最後の最後でGPSを使ってしまった。GPS無しでは、今回も寒沢の宿を発見できなかっただろう。それが、現実である。

帰りは、トラバースルートで帰った。新薙ルート1880m地点にコンパスを合わせ「たそがれ流」に「磁石の方向だけを信じ」歩いた。皆様が見ている「飯場跡」は今回も未見。途中踏み跡、赤テープを見るも全て無視。前回見た境界見出しを発見するも無視。1880mで新薙登山道に合流。
長いだろうと思っていた林道歩きもそれ程ではなかった。

帰りに渋滞にはまる。