山行日:2011.12.29
目的地:雪頭ヶ岳、節刀ヶ岳
コース:根場・魚眠荘(7:00)~鍵掛け峠(8:30)~鬼岳(10:00)~金山~節刀ヶ岳(10:50)~金山~鬼岳~雪頭ヶ岳(12:10)~根場・魚眠荘(14:30)

秋に槍ヶ岳に行った折、槍沢ロッジで隣りで寝ていたオヤジ二人組に推薦されたのが、雪頭ヶ岳だった。節刀ヶ岳では無く雪頭ヶ岳である、と念を押されていた。聞くところによると、6月から9月にかけてお花畑が見事であるとの事。また、周辺の山々は岩ガチであるとの事。そして、アンタなら大丈夫であろう、とのお墨付きを頂いたのである。が、何の根拠によるお墨付きであるのかは不明である。

とりあえず、6~9月は日光詣でに忙しく無理である。そんな訳で12月の末日に出かけた次第である。そして、実は「節刀ヶ岳」にも惹かれていたのである。
「節刀」は、天皇が征夷大将軍に賜った刀である。蝦夷征伐の大将に任命された征夷大将軍は、戦に勝った後に都への帰還が許されるのである。帰還後は「節刀」を天皇に返還するのである。即ち、将軍様にとって気の重いお宝なのである。中世以後の将軍様も「節刀」を賜ったらしいが、蝦夷征伐の命令は下されていない様なので、もらいっぱなしだったのだろうか。
そんな「節刀」と節刀ヶ岳は、関係があるのだろうか?さらに雪頭ヶ岳との関係はどうなってんのか?
現地調査に赴いたのである。な~んちゃって。

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根場の浜から早朝の富士山。

今回は富士山の展望も楽しみの一つである。ただ、登る山は富士山の真北にあたる為、日中は終始逆光となるはずである。早朝と夕方しか期待できない。

国道沿いの鳴沢村は-6℃だった。根場地区が何処の行政区分になるのかは知らない。なんせ、この辺の山は富士山以外登った事が無いのである。とりあえずオッサンに教わった魚眠荘前を出発。「魚眠荘」の命名は強烈である。いかなるイワレがあるのか?とりあえずインパクトのある名前で覚えやすい。
鬼岳直登コースを見送り、鍵掛け峠の道に入る。

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なんか知らんが、観光施設のような所。この辺でウロチョロして写真を撮る。

沢筋を右下に見ながら登る。やがて大岩が上方に見えると小尾根に道が絡みつき、右に左に登る。

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尾根に辿り着く。すでに日が昇り、逆光の富士となる。早すぎるワ!いや、おいらの足が遅すぎた。

随分時間がかかったし、疲れもした。ヤバイねぇ~。大石峠まで足を伸ばそうと思っていたが、あやしい雰囲気がしてきた。

ここから鬼岳に向かう。尾根上は小さな岩峰がいくつかあった。日影に堅い氷が現れ往生する。先週と同じだね。いや雪が少ない分、逃げ場が無い。凍った上を歩かなければならない。
それにしても、ツツジのような潅木が多い。小さな枯れた花が着いていた。一斉に咲いたら見事だろうな。


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こんな感じの小岩が多い。

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小さな岩峰に登ると南アルプスが見えた。北岳、農鳥岳、塩見岳が真っ白だ。残念ながら、甲斐駒は後方でまだらな姿を小じんまりと晒していた。

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おおっ、霧氷か!そして、奥に見えるのは鬼岳と雪頭ヶ岳に違いない。

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ムムッ、荒川、赤石であろうか。もう、ああいった山には行きたくない。眺める山である。

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そして、霧氷が頭上に。氷がパリパリ落ちてくる。

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いい感じだねぇ~。

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霧氷にまみれる。

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そして、濡れた。

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鬼岳山頂。

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とりあえず、富士山を撮る。が、逆光を克服する事はできなかった。

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鬼岳山頂の鬼の角

さて、鬼岳山頂で考えた。これからどうすんベーか。
①最初の予定通り、雪頭ヶ岳をピストンし、大石峠に向かう。
②疲労したので、雪頭ヶ岳ピストンし、十二ヶ岳に向かう。
③疲労し、足元が凍って危険なので、節刀ヶ岳をピストンし、雪頭ヶ岳から下る。

最も安易な③案で即決。努力、挑戦とは無縁のおいらとしては、当然の選択であった。

それでも鬼岳からの下りは緊張した。足元が凍り付き恐ろしい。やがて、平和な尾根道となり金山着。
右に行けば、十二ヶ岳であるが、恐ろしげなコースである。今日はやめておこう。節刀ヶ岳に向かった。

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節刀ヶ岳に到着。「節刀」との繋がりは解明されなかった。

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鬼岳と雪頭ヶ岳?。

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河口湖と大石峠方面の尾根。奥は三ツ峠か?

節刀ヶ岳も好展望地であった。誰も来ないし、疲れたし、風もも無いので大休止。十二ヶ岳にはヤバそうなキレット状が見える。無理だわ!

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平和な尾根を鬼岳に戻る。

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しかし、鬼岳直下の氷に苦しむ。鬼岳を通過すると、2組登ってきた。

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イヤだねぇ~。

雪頭ヶ岳だと思っていたピークには何の標示も無かった。鬼岳山頂には、雪頭ヶ岳→好展望・お花畑の標識があったのに。おかしいなと思いながら歩くと道は下っている。見過ごしたかと思った頃、開けた山腹に雪頭ヶ岳の標識が現れた。潅木と枯れ草の好展望地ではあった。その季節には何の花が咲くのだろうか。しかし、山頂の趣きは全く無い。
御夫婦らしき一組が休んでいた。次いで高齢二人組みが到着。結構人気の山のようだ。

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雪頭ヶ岳より。ここも逆光。露出を絞りきり撮影。ようやく、西湖がはっきり見えた。

ここで昼飯にしよう。パン、カップラーメン、パン、コーヒーが、最近のパターン。カップラーメンはセブンイレブンのロゴ入りの「中華そば」を買ってみた。中々の美味である。但しシナ竹が歯の間に挟まり、この後、ずーッと、「スーハー」言いながらの歩きとなった。

雪頭ヶ岳からの下りは、もう堅い氷は僅かであった。安心してノソノソ下る。疲れているので、スピードは上がらない。
それでも日の高い内に根場に着くことができた。当たりまえだワ。

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雪頭ヶ岳を振り返る。

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午後の日が西に傾き、ようやく明るい富士山が撮れた。


「節刀」と「節刀ヶ岳」と「雪頭ヶ岳」の関係は解明されなかった。また、ツツジ様の潅木の正体も雪頭ヶ岳のお花畑の正体も不明であった。結局の所、何も判らなかった。もう一度来てみよう。いつ行くかが問題ではあるが。