山行日:2011.12.11
目的地:栃ノ木入沢
コース:落合(7:00)~栃ノ木入沢出会(7:40)~650m付近(8:00)~左岸の小屋(8:10)~砂防ダム(8:40)~5m滝~760mへ引き返す~右岸尾根~林道840~栃ノ木入沢~1050m林道(10:30)~バラ尾根~(11:10)タタラの頭(有間山)(12:00)~橋小屋の頭(12:20)~蕨山(13:00)~藤棚山(13:30)~林道(14:50)~
落合(15:00)


前回バラ尾根から有間山に登ったとき、猟師が仲間と交信していた。交信相手は滝の入に入っているようだった。ならば、おいらも滝の入を歩いてみようと思った。25000図を見ると、滝の入は短く急である事が判った。お隣の栃の木入沢が目に入った。途中まで道記号がある。タタラの頭直下まで沢筋が延びている。こいつを登ってみよう。

今回の栃の木入沢は入間川上流の沢である。荒川下流は大昔、現在よりも大分東側を流れていたようだ。現在入間川は荒川に合流する形で流れているが、大昔は現在の荒川筋を入間川が単独で流れていたらしい。
従って、本来は、有間山が荒川(浦山川)と入間川(有間川)の分水嶺を成していた事になる。有間山西方の日向沢の峰は、荒川、入間川、多摩川の分水嶺であった事になる。
この三川の流域では、川筋の名称がはっきりと異なる。
多摩川流域は長沢背稜に~谷が多いものの~沢、~谷、~窪が混在。浦山川流域は~谷、入間川(名栗川)流域は~入である。ちなみにお隣の高麗川流域は~谷津である。
栃の木入沢は、「入」と「沢」が合体している。同じような合体系で多摩川側にゴンジイリ沢がある。


落合の観光釣り場の奥の駐車場に車を停めた。他にただの一台も車も見えなかった。日影の林道に雪が残っていた。しまったなぁ~。布靴しか持ってこなかった。とりあえず、アイゼンはザックに入れた。

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栃の木入沢出会。

栃の木入沢出会には、「栃・・・・橋」なる橋があり、すぐにそれと判る。「・・・・」は、欄干の文字がカスレて読めないのである。25000図にあった点線は広めの小道であった。足跡が一つあった。誰かが昨日登ったのだろうか。

やがて、小道は尽きてしまった。沢に降りると、対岸(左岸)に小屋が見えた。沢を渡り小屋に行ってみると破れ小屋だった。小屋の裏手に薄い踏み跡があったが、すぐに見失った。沢に降り、沢筋を右に左に渡渉しながら登った。

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小滝などが現れる。

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水量は少なく足を濡らすことはなかった。

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砂防ダム?を左岸から乗り越える。

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砂防ダムの上にあった石積み。

ダムの直ぐ上で沢筋が3本に別れた。25000図で青い線が二つに分かれる所である。一番右を選択。

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少し登ると小滝があった。

この5mの小滝の左手に枯葉の堆積があり、ここに取り付いた。が、枯葉の下は岩盤で異常に滑る。結局この滝を越えられず、3筋の分岐まで戻った。そして、右と中央の沢の間の小尾根に取り付いた。異常な急斜面で木にしがみつきながら登った。さらに杉の大間伐の残存が堆積しており、著しく不快な登りとなる。

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間伐された杉が大量に残置されており、杉マミレで越えて行く。ここは、思い出したくもない。

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傾斜が緩むとようやく下の林道に飛び出した。

林道を右に進み、もう一度栃の木入沢に入った。

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栃の木入沢の上部。

栃の木入沢はさらに水量を減らした。ほぼ左岸沿いに登る。上の林道が見え、暗い谷を右に見送り、左側の涸れた沢筋から林道に出た。
沢を覗くと、とてつもなく急に見え、栃の木入沢の遡行はここまでとした。

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そうと決まれば、林道を右に進み、以前登ったバラ尾根に取り付こう。

一旦バラ尾根を林道で大きく巻き、小さな窪み状を利用し、バラ尾根に上がった。右手より踏み跡が合流。なんと、新しい足跡があった。タタラの頭が近づく。昨年に比べスズ竹の勢いが全く感じられない。秩父大平山と同じ感じを抱いた。なにか山に異変が起こっているのか?

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タタラの頭到着。ほぼ想定時間に着いたが、栃の木入沢と小尾根で苦戦し、ようやく着いたという感じ。

タタラの頭でゆっくり昼飯を食った。天気はすこぶる良い。樹間からであるが、都県境の山々が白く見えた。昨日大勢が登ったのか、足跡がかなりある。

12月の日暮れは早い。重い腰を上げ、橋小屋の頭に向かった。

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有間山の稜線には雪があった。

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布靴は雪にまみれた。そして、じわじわと水が滲みてきた。

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途中より、棒の折れ山。東京のビル群も見えたが、スカイツリーは無理だった。

橋小屋の頭には、お一人休憩中。鳥首峠からだそうだ。そちらもまた、雪まみれだそうだ。橋小屋の頭の下りは雪が無くともイヤな所だ。腰を引いて、ヘッピリ腰で下る。ようやく、鞍部に到着し、安心する。

蕨山の登り道には、バイクのワダチが何本も着いていた。余程楽しかったのだろう。道がカキムシラレていた。こちらは、嫌な気分。随分前に七つ石小屋の爺さんも嘆いていた。

蕨山展望地に到着。すでに誰も居なかった。

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大岳山が良く見えた。他に、榛名山がボンヤリ見えた。

一服後、出発。藤棚山を越え、大ヨケの頭手前で、強引に下の林道に下る。

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今日登った有間山。左端がタタラの頭。右端が橋小屋の頭。

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大ヨケの頭直下にある落合への標識。現在大ヨケの頭から、直接下れない。

大ヨケの頭から落合へ下る道は貴重なのだが、下り口はススキに埋没しかけている。ススキを掻き分ければ道型が現れる。この道は超急斜面である。昭文社によれば落合まで30分とあるが、おいらには考えられない。1時間近くかかってしまう。兎に角、密林の木にしがみついて下るしかない。

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去年撮影した所と同じ所に紅葉が残っていた。

イヤになった頃有間小屋跡に着いた。一段下の森の中のテープを探し、車道に下った。

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有間ダムより、有間川上流の山々を振り返る。

帰りは、至る所で渋滞にはまる。

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川越の市街地手前の初雁橋から富士山が見えた。渋滞中に撮影。流れは入間川である。

喜多院を過ぎると渋滞は解消。国道16号線で荒川を渡る。
大宮で再び渋滞。高速道路に乗ってしまった。