山行日:2011.10.7~9
目的地:氷河公園、槍ヶ岳
コース:上高地(10:00)~横尾(12:30)~(13:50;泊)槍沢ロッジ(6:10)~天狗原分岐(7:50)~氷河公園(8:30)~稜線(10:30)~南岳(10:50)~中岳(12:40)~大喰岳(13:20)~槍ヶ岳山荘(14:10)~槍ヶ岳(14:50)~(15:50;泊)槍ヶ岳山荘(6:30)~殺生(6:50)~槍沢ロッジ(9:10)~横尾(10:30)~上高地(13:10)


10月7日は休みが決まっていた。3連休前の休日で、4連休。ムフフフッ・・・。年初から、この日に槍ヶ岳に行こうと決めていた。
槍ヶ岳には2回登っている。1回目は燕岳からの縦走。2回目は薬師岳からの縦走。テントを担いでの最後のピークであったが、いずれも8月の冷たい雨に打たれての登頂だった。
晴れた日に槍ヶ岳の山頂に立ってみたい。最近になって、つくづく思うようになってしまったのだ。寄る年波のせいであろうか・・・。

10月7日
2日間、雨が降った。ネットを見ると槍に雪が降ったようだ。この時季の北アルプスで、何度か痛い目にあっている。しかたない、アイゼンをリュックに納めた。しかし、連休中の天気予報はこの上なく良い。三段染めか。ほくそ笑みを隠せないままに出発した。

平日というのに、上高地には人が多かった。登山届けに記入していると、係員がおいらの届出用紙を覗き込み、「昨晩、2900m以上で雪が積もったので、槍沢ロッジで山頂方面の事情を聞いてから行動するように」と厳しく言い含められた。
河童橋に大勢タムロしている。天気予報とは裏腹に穂高の稜線は雲に覆われていた。

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しかし、梓川の上流はまずまずの天気。

横尾にも大勢の人々がいた。大多数の人々は涸沢に向かうようだ。期待はずれの紅葉をみながら、槍沢ロッジ着。ロッジに泊まった。小屋前からは樹間越しに槍の穂先が見えた。雪は無いようだ。
ロッジでは、8人のスペースに5人が割り当てられた。超混雑と言う訳ではないが、そこそこの入れ込み状態のようだ。
ビールを飲みながら、隣りのオッサン二人組みから雪頭山という聞きなれない山を勧められた。いつか行ってみよう。
そして、早々と寝た。


10月8日
朝起きると、快晴である。氷河公園で、紅葉の逆さ槍を見る事も今回の重要事項である。快晴の槍山頂か、逆さ槍か。悩ましい問題であるが、逆さ槍を優先させた。当初の主目的と相反するねぇ~。
ハイトスさん御夫妻が、同じコースで先月槍に登られていたなぁ。

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槍沢ロッジより。槍の穂先が見える。ハイトスさんと同じアングルじゃぁないの。この後の写真も同じアングルが続出だった。

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朝の槍沢の道を行く。雪は見えんなぁ~。

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氷河公園分岐より、槍沢を横断すると再び槍ヶ岳が見えてくる。紅葉は、全く冴えんなぁ。

なんでも、早霜の影響で、葉がみな黒ずんでしまったそうだ。今年の北アの標高の高いところは、紅葉の大不作とのウワサが聞こえてきた。

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しかし、いい天気である。

黒い岩肌のピークの左側を登り、少し下ると氷河公園・天狗池が現れた。すでに人々がタムロしている。

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天狗池は、凍っていた。

天狗池の氷を先客が、必死で割っていた。氷に映った槍は濁ってしまうのだ。

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何枚か撮った。逆さ槍を撮ろうとすると、人影が入ったりしてなかなかうまく撮れん。まぁ、こんなもんでしょう。

とりあえず、満足して氷河公園を去る。雪田が現れたり、思いがけない急斜面が現れたりした。ルートを失ったりもした。雪が現れた。足元がおぼつかないが、アイゼンを着けるような状態では決してない。

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南岳に繋がる尾根に乗ると、北穂と前穂が見え出した。

殺生小屋がようやく下に見え出した。ヒュッテ大槍の赤い屋根も見える。この頃より、ナイスなオッサンと抜きつ・抜かれつの状態となる。このナイスなオツサンが、後でナイスなアシストをしてくれようとは・・・。

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そして、ようやく県境の尾根に飛び出した。

急に風が強くなった。やたらに寒い。野球帽から冬用の帽子に変えた。手袋もリュックからまさぐり出した。しかし、10月の3000mとしては、それ程の寒気では無く助かった。
とりあえず南岳に寄り道する。
南岳往復後、窪地を見つけ、ここで昼飯とした。あまり食が進まん。トン汁を食ってロールパン1個、コーヒーを飲んでお仕舞い。ナイスなオッサンが通り過ぎて行った。

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中岳山頂付近より。ピーク毎に休憩。ナイスのオッサンもピーク毎に休憩。

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大喰岳付近。ムムッ。怪しげな雲が。さっきまで見えていた笠ヶ岳はすでに雲の中。二頭を追ったが、裏目に出るのか・・・。

槍沢ロッジで、「全く雲の無い山は、絵にならん」と誰かが言っていたが、素人のおいらには、快晴が一番である。何とか持ってくれ~っ。悲痛な叫びである。この手の雲が出始めて、あっという間に乳白色の世界なんて、良くある事だから。

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槍の肩到着。おおっ、雲は去った。大勢の人々が槍の穂に取り付いている。

宿泊の手続きをし、早速槍ヶ岳山頂を目指した。

前を中高年の御夫婦が登っている。オッカサンは「足を置くところが無い」とか「手が届かない」などと言っている。オトッツァンが、そのたびごとにアドバイス。バテていたおいらは、全く気にならない。ゆっくり登り、楽チンで山頂に達した。

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山頂の祠。

ナイスなオッサンが「写真を撮りましょう」と言ってくれたが、丁重に断わった。

北ア北部の山々が、やや霞みがちだが見えた。笠ヶ岳には雲が。しかし、満足できた。前回とは、比べ物にならない。兎に角、槍の真上は快晴だった。

ルンゼ状からヘルメット姿のクライマー2名が登ってきた。別世界の御仁だ。

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槍ヶ岳から、穂高連峰。

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常念岳

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影槍。

これ以上を望んではいけないだろう。満足して、山頂を後にした。
槍の下山では、クダンの御夫婦が滞っていた。それ程人が多い訳ではないし、まぁ、仕方ないな。と思っていたら、例のクライマー氏がおいらのすぐ上でイラついていた。下でオッカサンがマゴついてるので、おいらはハシゴの中段でストップ。すると、おいらの手に激痛が走った。クライマーの野郎がおいらの手を踏み付けやがった。今日も手の親指が痛いヨ。クソッタレ。
なんやかんやと言いながらも無事穂先を降りた。

小屋で指定された区画で下着を替えていたら、ナイスなオッサンが「一服しませんか」と声をかけてきた。「タバコですか?」と聞き返すと「いえ、こっちですよ」と[一杯]のお誘い。嫌いではないので、一緒に談話室風の一角でビールを飲んだ。あれやこれやと、山の話をしていた。
ナイスなオッサンが茂倉岳の話をし出したところで、背中合わせの席から女性が話に加わった。隣には御主人が。この女性も良く山に行っている事がすぐに判った。女性は、鳥海山、朝日、飯豊の話をしていた。あれ~、もしかして、と思い、ご主人にどちらから来られたのか聞いた。水戸からとの事。恐る恐る「もしかして、yamasanpoさんではありませんか?」と聞いてしまった。ご主人の目が点になった。まさにyamasanpoさん御夫妻であった。名刺を頂いた。雲竜・友知らずの写真が刷られていた。日光の山の写真が使われていたので嬉しかった。
御夫妻は、一日で山頂に達したそうだ。明日は大キレット越えで奥穂まで行くという。スゲーパワーだなと思った。夕食のコールがあり、解散。その後は大きな小屋の事、チラリと姿を見ただけになってしまった。


なには、ともあれ、満足な一日であった。そして、ナイスなオッサンありがとう。