山の怖い話と言っても、怪談話しではない。
少しだけ怖かった山の体験を記憶がなくなる前に記録しておこうと思った。
たいした話ではない。

雪酔いは、3回体験している。


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一の越付近から室堂のテント場に至る谷。一の越のすぐ下で雪酔いをした。



はじめは、蔵王スキー場ザンゲ坂の下の緩斜面。
強風・向かい風・吹雪・超低温・緩斜面。息をすることも苦しかった。緩斜面をクロウチングでやり過ごそうとしたしていた。そのうち、自分が進んでいるのか、停まっているのか判らなくなった。目が廻り、転倒した。転倒したときの感触は、超低速の滑降だったように感じた。起き上がるのもままならなかった。何とか起き上がり、カラサワの壁に入ると何の事は無く滑る事ができた。

二度目は、志賀高原横手山スキー場の下部。
大雪が降る中、渋峠で無重力の深雪滑降を楽しんでいたが、余りの低温・強風に耐えかね横手山スキー場に退避。横手山スキー場から熊の湯に向かった。緩斜面に差し掛かった所で自分が進んでいるのか、停まっているのか判らなくなった。何がなんだかわからなくなった。グルグルと手を回し転倒した。転倒時、さらに斜面から小さく落下。ボキッと音がした。ゴーグルをはずして周りを見廻すと車道に転落していた。ボキッという音は、スキーからビンディングが引き千切られる音だった。
状況は、蔵王と酷似。強風・向かい風・吹雪・超低温・緩斜面。息をするのも苦しかった時。

三度目は、立山。一の越から室堂への滑降時。
前夜、岡山から高速を寝ずに走り、11時に室堂で東京の仲間と落合う。ロッヂ立山連峰に荷を預け、足慣らしに一の越に向かった。夏道ルートは使わず、谷底を登りつめた。意外にもシールが効かず苦労して登った。天候は晴れ。純白の斜面に雲の陰が次々に行き交っていた。
チョロイものと意気揚々と滑り出すも、自分が進んでいるのか、停まっているのか判らなくなった。危険を感じ自ら転倒した。ゴーグルを取ると、目の前にキョトンとした登山者が立っていた。谷の中央部を滑るつもりが、左手の夏道コースの方に大きくぶれていた。コッパズカシイ思いで立ち上がり、斜滑降気味に谷の中央に戻った。
この時は、全くギャップの無い広大で明るい純白の斜面に酔ってしまったようだ。

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雪酔いはスキー滑降時に体験した。
雪酔い発生の共通点は、
  ・緩斜面
  ・なんらかの原因で、視界不良(余りの明るさも含めて)。
であった。
雪酔い時の感じは、海で大波に巻き込まれ水中でグルグル廻っているような感じ。自分の体勢が判らないのである。
体質的に雪酔いしやすいのかもしれない。