山行日:2010.6.12
目的地:前宿堂坊山
コース:西の湖入り口(9:25)~西ヶ浜(10:00)~カクレ滝(10:30)~ヤジノ沢へ戻る~ヤジノ沢右岸尾根1540m(11:20)~前宿堂坊山(12:15)~(13:00)宿堂坊山(13:30)~東尾根~柳沢川堰堤(14:40)~柳沢川右岸~西の湖手前の赤い橋(15:10)~千手ヶ浜(15:45)~九輪草園地~千手ヶ浜バス停(16:10)



池田正夫氏著「全踏査 日光修験 三峯五禅頂の道」を参考に前宿堂坊に向かった。

前日は、帰りが遅く、本日の目覚めは遅かった。どうやら、入梅も間近な様子。貴重な晴れは逃したくない。飯を食わずに家を出る。東北道は渋滞気味。赤沼の駐車場はすでに満車であった。係員が駐車場への侵入を厳しく制限している。埒があかないので、三本松へ向かう。こちらの駐車場はまだまだ空きがある。急いで靴を履き、赤沼バス停に向かう。さい先悪し。

千手ヶ浜に向かうハイブリットバス乗り場は、多くの観光客が並ぶ。バスは同時刻に2台発車した。西の湖入り口で、数人が下車。皆様大型のカメラと三脚を手にしている。皆様とともに西の湖方面に向かう。

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道々に、色々な花が咲いている。

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そして、歩きやすいすばらしい森の道を行く。

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ツツジは大好きなのだ。

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巨木の森を経て西の湖・西ヶ浜へ寄り道。

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えも云われぬ西ヶ浜。誰もいない。美しすぎる。

いつまでも居たいところだが、ヤジノ沢へ向かう。意外にもルートには広い道があった。赤・黄のルート標示もある。
涸れ沢を渡る手前に「カクレ滝へ」の標識があった。涸れ沢を渡ると前方よりケモノの鼻息が聞こえてきた。昨年、酉谷山手前小黒付近で聞こえた鼻息にそっくりだ。豚と馬の鼻息をタシテ2でワッタような感じ。緊張して、鈴を激しくかき鳴らした。前方、側方を注意深く見回した。またしても鼻息が聞こえた。姿は見えない。手を激しく打ち鳴らした。鼻息がまたしても。そして、ガサガサと藪を掻き分ける音。やがて静寂が戻った。全身汗ばんでいた。極度の緊張感の中、ゆっくりと前進した。鈴を手に持ち、激しく振りながら。
気がつくと、かなり沢の奥まで来ていた。ヤジノ沢入り口を通りすぎているようだ。赤・黄の標識が乱打されている。どうやらカクレ滝へ導く標識のようだ。道ははっきりしている。ならば、カクレ滝に寄ってみるか。
少し進むと、間近に滝の音がする。だが滝は見えない。沢は右に屈曲していた。容易に前に進めなくなった。辺りを観察し、対岸に登れそうな斜面があった。飛び石で対岸に移り、ぐちゃぐちゃな斜面を少し登り上流側へトラバースした。滝が少しだけ見えた。さらに沢床に恐る恐る下るとカクレ滝を正面に見ることができた。

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まさに、カクレ滝。近づいてもなかなか見えないのだ。

ここより、引き返し、ヤジノ沢を捜す。
ヤジノ沢は意外なほど狭い涸れ沢だった。
涸れ沢を登るとすぐに左に細い水流とやや広い涸れ沢に分かれた。中州のような所を登った。「全踏査・・・」によれば、岩屋が現れるはずだったが、見つからなかった。水の流れる細流が消え、右岸沿いに登った。鹿道が現れ、これを辿る。やがて小滝が見えた。「全踏査・・・」に記述あり。ここよりヤジノ沢右岸尾根の山腹に取り付いた。幸い、鹿道があり、これを辿る。右手に涸れた枝沢が浅く切れ込んでいる。ほぼこの枝沢の右岸近くを登る。傾斜はきつい。

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ほどなく、岩が見えてきた。「全踏査・・・」に記述の岩ではないと思う。オーバーハングのせり出しは無かった。

岩の右手を登る。傾斜は益々きつくなり鹿道が消える。湿った腐葉土の堆積。二本足だけでは斜面を滑り落ちそうな感じ。手をつき、膝をつきゆっくり登った。帰ろうにも帰れない状況。
右手の涸れ沢が草付の斜面となり、その向こうに緩やかな斜面が見えた。そちらへ向かう。草付の沢型を渡り、ホット一息つく。危なかった。緩く登ると、平坦地に出た。宿の跡のようにも見えたが、6巡もしている池田氏の本には載っていなかったので、自然地形なのだろう。ここより、背の低い笹の斜面を登ると、待望のヤジノ沢右岸尾根に出た。高度計は1540mを指していた。正直なところ、これで無事に帰れると思った。

笹の無い登りやすい尾根であった。ミツバツツジ、シロヤシオが咲いていた。1644m峰で直進しようとすると、尾根が無くなっていた。磁石を確認すると、左手を指していた。体感的には直角に曲がる感じがした。尾根上には赤テープは、ほんの2、3あったか。踏み跡は無いに等しい。あっても鹿道程度。
やがて、石楠花が現れ行く手を妨げるが、木の勢いは無く、中央突破、巻きなどでさほどの困難は無かった。石楠花が消えると密笹地帯となった。とはいえ、背丈程度。足が空中に浮くところまでヒドクは無かった。ただ、逆層気味で、歩行速度は、鈍った。

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笹の海から皇海山と三俣山へ続く尾根が見えた。

笹を掻き分けていると、いきなり前宿堂坊山と思われるピークに着いた。

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山頂を示す標示は無かった。本当にここが、前宿堂坊山なのか。高度計は1820mを示していた。

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宿堂坊山が樹間に見える。錫も、白根も山頂部のみ見えた。

一服後、宿堂坊山に向かう。下り始めは密林でうんざりしたが、すぐに鮮明な踏み跡が現れ、赤い金属製の標識が乱打され、安心して歩けるようになる。尾根幅が広がると踏み跡は消えるが、赤い標識を辿ればよさそうだ。登り返しも思ったほどの事は無く、すでになつかしく感じられる宿堂坊山に到着した。遅い昼飯を食い、安全な東尾根を下る。


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東尾根の入り口は、グリーンカーペットが敷かれている。

テープの多い東尾根は歩きやすい。1450m付近で右手の沢型を下り、広い平坦地に出た。柳沢川は渡らず、右岸に沿って歩いてみた。それほど苦も無く歩くことができた。西の湖へ繋がる赤い橋で柳沢川を渡った。

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千手ヶ原は、とびきり美しい森が広がる。

千手ヶ浜にでて右折し、九輪草を見に行った。

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九輪草は今年も咲いていた。昨年より、株数が少ないようだ。

撮影ポイントはオバサマ方に占領されていた。あきらめて、ひっそりと咲く九輪草を一枚だけ撮影した。

バスで戦場ヶ原に戻ると、山々は灰色の雲に覆われつつあった。いよいよ、入梅か・・・。



本コースを振り返って、
ポイントは、ヤジノ沢からヤジノ沢右岸尾根間の山腹の登り。もう少し、登りやすいところがあるのか?
ヤジノ沢右岸尾根は、下りには使いたくない。