山行日:2010.5.3
目的地:柴灯森
コース:湯殿山スキー場(5:00)~スキー場トップ(6:00)~濁沢(7:10)~1302m峰(8:30)~1479m(9:30)~1619m峰(9:50)~(10:30)柴灯森(11:00)~1302m峰(11:20)~濁沢(11:50)~湯殿山スキー場(12:30)

暗がりの中、モソモソと起きた。今日は早く出発しなければならない。

2007年、2008年と同じコースを歩いた。2007年は1302m峰で、2008年は1619m峰で敗走した。最初の年は、地図を見ながら濁沢渡渉点を探したり、小ピークの巻きで雪切れに出会ったりして時間切れとなった。2回目は、1619m峰で休んでいるときに大集団が3組も滑り降りてきて雪面を荒らした。曇天で風が吹き、もういいかと、いつもの癖がでてここから下った。

おいらは努力とか挑戦という事に殆ど無縁と思っていたが、今回はささやかながら挑戦の意味合いが含まれているような気がした。たぶん、このコースに来るのはこれが最後になると思ったいたから。
たかだか月山の脇にあるモグサのような峰。多くの人は、ただの通過点でしかないはずだ。おいらは、このモグサがここ数年、気になって仕方が無かったのだ。

早起きしたとてグータラなおいらは、ぐずぐずとして出発は5時になってしまった。

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湯殿山スキー場。なんとか上まで雪が繋がっていてくれたらいいなぁ。以前はGWでもリフトが動いていたような気がするのだが。とりあえず、シールで登る。

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幸い、雪はつながっているようだ。まだ月がでている。

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スキー場トップ。品倉尾根が見えてきた。靴ずれが痛いので、靴を脱ぎバンドエイドを貼る。

品倉尾根が収斂する所が1619m峰。柴灯森はその先。遠いなぁ。
中台の台地をユルユルと登る。昨日大勢下ったのか、シュプールが多い。以前あったピンクリボンが全く見当たらない。コースをそれているのか?とりあえずシュプールを追う。

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品倉山の基部に到着。写真で見るよりかなり急。ここを滑る奴がいるのだから信じられない。

品倉山の基部から尾根を回り込むのだが、シュプールは少し上を行っている。雪が少ないので沢近くを行けないのかもしれない。ここもシュプールに従う。これまでは、踏み跡などが無く、自力で濁沢下降点を探していたのだが、シュプールがあると助かる。濁沢への下降点は前回、前々回よりもいくらか上流だった。

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無事、濁沢に降りたつた。やはり雪は少ないようだ。そこかしこから水の流れる音が聞こえる。

濁沢を少し辿り、S字状を登った所で、右岸の段丘に上がる。ここよりシュプールは激減。皆様色々なコースを下っているようだ。

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濁沢右岸より品倉尾根上部を見上げる。上はまだまだ高い。

段丘より、左手の尾根に取り付き、ジグザグに這い上がる。

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品倉尾根にあいている大孔。何ですかねぇ。

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柴灯森に繋がる尾根に出た。午前の陽をまともに受ける。正面に1619m峰が。遠いなぁ。

直射に日光をまともに受け、手袋を外す。上着を脱ぐ。帽子を脱ぐ。
以前頭皮が日に焼け往生した。上島竜平ばりにタオルでホッカむりをする。

正面の藪ピークは、左に巻き気味にやり過ごす。

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1302m峰到着。1460m峰と1619m峰を越えねばならぬ。左手に月山モツクラ坂から弥陀ヶ原への連なりが見える。この尾根はいつか辿りたい。

僅かに下り、1460mを目指す。上から大集団が滑り降りてきた。クソッタレと、思わず言いそうになった。年配のリーダーらしき人に挨拶された。だまって頭を下げた。

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1460m峰到着。

1460m峰から1619m峰を見ると、尾根上に無数の亀裂が走っていた。近づくとかなり亀裂が深く見えた。尾根をはずし、右手のやや藪っぽい所を登る事にした。

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ここから見る月山は神々しい。

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濁沢と品倉尾根。だいぶ登ってきた。しかし、ややバテ気味。


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湯殿山とその奥に朝日連峰。

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1619m峰にバテバテで到着。ようやく貧弱な柴灯森(中央のモグサ)が見えた。これが目指す頂か!

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金姥。昨日滑ったコース①

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昨日滑ったコース② 湯殿山鞍部を目指す極楽コース!

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もう一息。

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細くなった尾根を歩いていると湯殿山神社の鳥居が見えた。ズームをいっぱいにして撮ってみた。


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ついに柴灯森に着いた。

柴灯森の山頂は泥だらけだった。時間は予想より早かった。雪の状態がシール向きだつたのだろう。小岩に腰掛け一服。たいした喜びは無かった。こんなものか。
ここから見る月山はなぜか神々しさに欠けているではないか!
スキーやスノーボードを担いだ人々が次々に通り過ぎていく。蟻の行列のように月山を目指す人々がいる。
シールを泥にまみれたザックにしまい、柴灯森をあとにした。

雪の状態は良い。最低スキーヤーのおいらでも下りは早い。少しの登り返しがあるが気にならない。

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あっという間に1460m峰へ。1302mへ滑り込む。

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1302m峰手前の広大な斜面。

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1302m峰を下り、1619m峰を振り返る。

なごりを惜しみ濁沢に下る。

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濁沢を下る。

品倉山の基部を巻き、腐った雪の中台を進む。

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スキー場上部に帰着。品倉尾根を振り返る。わずかに1619m峰が見えた気がした。

4年越しの思いも、ささやかな挑戦も終わってみればあっけなかった。
あっけなかったが、楽しかった。
あっけなく楽しいのが、山スキーのだいご味だろう。
4年間充分楽しめた。
もう、このコースに来ることは無いだろう。