山行日:2009.11.15
目的地:子の権現
コース:飯能駅(7:15)~能仁寺~天覧山(8:00)~多峯主山(8:40)~天覚山(11:00)~大岩~大高山(13:00)~前坂(敗走13:45)~吾野駅(14:20)

前日、14日の土曜日は菓子王君と大岳山に行く約束であったが、あまりにも天気が悪そうなので中止となった。変わりに、本日いつも通り、単独での山行となった。
場所は、奥武蔵第二列目の山。飯能駅から子の権現を目指した。行程は10時間を越えるが何とかなるべぇー。


先週の火曜日に本屋から書籍が到着したと連絡があった。
「全踏査 日光修験 三峯五禅頂の道」池田正夫著 随想社刊 4700円
である。
当ブログにも時折訪問してくださるアキ爺さんのブログで出版が紹介されていた。
10月26日発刊。
すぐに、書店に申し込んだ。
通勤電車の中で、冬峯、春峯、夏峯と読み進み、残すは秋峯のみ。
飯能に向かう電車の中で読みふけった。

著者は、三峯五禅頂のルートを6巡したという。まさかこんな御仁がいらっしゃったとは、驚きを禁じ得ない。
内容は期待にたがわぬ、いや期待以上のものだった。古文書の要旨と踏査の記録が併記されており臨場感あふれるものだった。
判らない単語、センテンスも多いが、今後何度も読み直すことになるだろう。




飯能駅には多くのハイカーが降りたつた。
おいらは、能仁寺に向かった。

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能仁寺は美しく紅葉していた。


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能仁寺から天覧山への道が見つからなかった。地元の人と見受けられる方に道を教わった。


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天覧山からの展望。富士山が美しい。予定していた大岳山、御前山もよく見える。


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天覧山直下の紅葉。紅葉はこの後無し。全て杉林。


多峯主山に向かうが、道の工事で迂回路へ回る。

緩い下りで足を滑らせた。つま先が目線の位置で見えた。背中から地面に叩きつけられた。見事な足払いだった。これまでの人生で最も見事な転倒だった。空中での浮遊感が忘れられない。杉林で表土は全く無く、踏み固められた関東ローム層がむき出していた。前日の雨で粘土化した関東ローム層は水分をたっぷりと吸い込んでいたのだ。さらに、おいらの2980円の登山靴もどきの靴底には、すでに溝は無くツルツルの状態だったのだ。


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途中の尾根上にある不思議な雨乞い池。


地図に無い道がやたらと多いが、標識類は少ない。大回りした感じで、多峯主山に到着。
展望はすこぶるよい。西側の丹沢、奥多摩方面がよく見える。
山頂からの道がたくさんある。地元の人とオボシキ方に天覚山へのルートを聞き、出発。

小さな頭峰を数限りなく越える。やがて、西武鉄道が開発を諦めたと思われる造成地を右に見ながら下る。車道に飛び出した。自宅から名栗川周辺に車で来る時に使っている道だった。
昭文社の地図では正面に登山道があるはずだったが、実際はだいぶ右手に歩いた所にルートがあつた。


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ルートは住宅街のすぐ脇を通っている。ここからは、昨年歩いた奥武蔵第一列目の南端部分が見えた。

左手からスコーン、スコーンと心地よい音が響き渡る。人々の笑い声が聞こえてくる。今度はゴルフ場の脇だった。湿った杉林の間から緑の芝生と美しく紅葉した樹木が見えた。

数知れない頭峰を越える。そういえば、ここは多峯主山の一角だった。多峯主山は全国に多くある。修験の山に多い山名のような気がする。京都東山三十六峰というが、ここも負けてはいない。
嫌気がさす頃、天覚山に着いた。ここも西側の見晴らしがよい。ベンチもあるので昼飯とした。

天覚山を少し下ると、右手に平坦地が見えたので立ち寄ってみた。


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両峯神社跡の石碑があった。

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平坦地は二段になっており、かなり広い。背後に岩壁がある。やはり、修験の山か。


尾根に戻り、進む。いくつもの頭峰を越える。杉林ばかりで気力も萎え気味。




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「大岩」 修験の道には自然の大石が信仰の対象となる。ムムッ。


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そして、ついに石祠が現れた。やっぱり。


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石祠から僅かで大高山に到着。ここも展望良し。

大高山のすぐ下で、再び石祠が。

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明治41年9月奉納。 願主 武田某。

ここからも呆れるほどの頭峰を越えた。車道を横切り、少し登ると前坂に着いた。昭文社の登山地図では、大高山~前坂0:20となっていたが、おいらは0:40もかかつてしまった。道を間違えたかと思ったほどだ。
この先、子の権現経由吾野駅まで4時間を要する。着くのは5時頃だ。杉林だらけの道をいくつもの頭峰を越えていくのはつらい。今日はここまでとしよう。竹寺に回ることも考えたが、次の機会にとっておこう。諦めの早いのが、おいらの取得。今日はここから吾野駅にくだろう。

下り始めると、あっという間に駅に着いた。山の高さは400m台なのだから当たり前だ。でも疲れた。とてもお気軽ハイキングコースではなかったのだ。GPS持参の方に、累積標高差を計ってもらいたいものだ。
ちなみに、おいらの疲労度式センサーは累積標高差1000mを軽く越えていた。


駅前の売店でビールを飲み、車中の人となる。もちろん、「全踏査 日光修験 三峯五禅頂の道」をむさぼり読んだ。
家に着く頃には残り数ページとなっていた。