山行日:2009.5.23
目的地:女峰山
コース:二荒山神社(6:10)~行者堂(6:30)~殺生禁断碑(7:00)~稚児ヶ墓(7:35)~白樺金剛(8:20休)~黒岩遥拝石(9:30休)~箱石金剛~唐沢避難小屋(10:50休)~女峰山(11:30休)~(12:15)唐沢避難小屋(12:50)~馬立(13:50休)~裏見滝・寂光滝分岐(14:45休)~寂光滝(15:45)~田母沢(16:20)~西参道(16:30)~二荒山神社(16:50)


今日は女峰山「様」で体力測定を行おう。
西参道からの標高差1860mは関東にあって貴重品だ。
同じような標高差のある山として、甲武信ヶ岳(川又~真の沢林道:標高差1780m)ぐらいしか浮かんでこない。

だから、畏敬の念をもって女峰山様と「様」付けで呼ぶことにしている。
これだけの山にして100名山に入っていないことは大変喜ばしいことで、遭難者の抑制に大いに寄与している。

ところで、おいらは、女峰山様にはいつもギリギリの体力で登っている。西参道から女峰山に登れなくなったら、それなりに考えなくてはなるまい。
だから、それなりの緊張感と覚悟を持って登るのだ。「覚悟」とは、「バテたら早めに諦める」ということだが。

早朝、天気は思わしくなかったが、日光市内に入ると女峰山様が見える。
二荒山神社の駐車場には一台として車は止まっていなかった。


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二荒山神社の社内を少しだけ見てスタート。


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神社の脇に沿って登る。杉の巨木は凄い。


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しばらく登ると行者堂。役の小角と前鬼・後鬼を祭る。三峰五禅頂ゆかりの地。ただし建物は新しい。


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禁断殺生の碑を過ぎると、ツツジが現れはじめた。


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そして、ツツジだらけとなった。


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悲しい伝説を持つ稚児ヶ墓にも、盆栽型のツツジが。
ここで、ご老人が熱心に写真を撮っていた。


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やがて草原となる。ツツジに目を奪われここまで、疲れ知らず。気が付くと空模様が怪しくなってきた。

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黒木の森に入ると、ヤシオツツジが咲いていた。他のツツジはツボミをたくさん着け開花の準備中。来週辺りに咲き乱れるかもしれない。
森の中の白樺金剛で、初めて一服する。

徐々に斜面がきつくなりだすと、あっという間にバテだした。


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黒岩は巻き、遥拝石にでた。ガスがかかり雲竜渓谷の展望は無い。ここでも一服。


黒岩を出てしばらくすると、後から凄い鼻息が聞こえてきた。熊かと思いビックリし、口笛を鳴らした。精悍なオッサンが走るように登っていった。唖然として見送るしかない。


箱石金剛付近はいつもかなりバテる所だが、今回もバテた。


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桜だろうか。写真を撮りながらバテを誤魔化す。

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変な形のダケカンバ。写真を撮りバテを誤魔化す。


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急に明るくなる。雲の上に出たようだ。白根山がいきなり見えた。


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そして、樹間にようやく女峰山様と唐沢避難小屋が見えた。


だが、唐沢避難小屋にはなかなか着かない。


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ようやく着いた唐沢の宿跡。石仏と石祠はまだ雪から出てきたばかのようだ。 


小屋前にはお一人いた。
一服後、出発。
腐れ雪で布靴がビチャビチャになる。

薙ぎで3人組を抜かす。
抜かしたくなかった。
抜かしたら、抜かれたくないのが人情。
眉間に皺を寄せ、口を大きく開け何とか止まらずに登る。

石楠花の次に這い松が現れたら山頂だ。ようやく這い松が現れた。
取り敢えず山頂に着くことができた。

山頂には人が大勢いた。女峰山様にしてはめずらしいことだ。


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天気はグングン回復しているようだ。

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左より、男体山、大真名子山、小真名子山。大真名子の遥か後に皇海山が見える。

次から次に人が来るので、すぐに山頂を後にした。
唐沢避難小屋に戻り昼飯とする。

下山は、晴れてきたので黒岩コースで雲竜を見たいとも思ったが、予定通り田母沢に下ることにした。

女峰山様は登りもさる事、足の弱いおいらは下りも恐ろしい。
馬立までの急斜面は疲れた足にこたえる。ギクシャクと下る。

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馬立手前では、薙ぎの砂防工事が終わったようだ。あの荒れた薙ぎに石ころ一つ無い。
誰か、ここで定点観測をしてもらいたい。このフラットな薙ぎがどのように変わっていくのか。
工事終了のためか、去年まであったモノレールが無い。


馬立で、またまた一服。
一服後立ち上がると、足はやるせない疲れで動きが超鈍くなっていた。

傾斜の緩んだモッコ平を行くが、スピードは上がらない。笹が深く、木の根や段差に引っ
かかり、ヨタヨタと歩く。

再びツツジが咲き乱れ、標高が下がったことを知る。

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笹に埋もれかかった石仏に何故か感動する。

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唐松の新緑が美しかった。

尾根の両側から沢音が聞こえ出すと若子(じゃっこ)神社・寂光滝に着いた。寂光滝を拝み、車道をトボトボと田母沢に下る。

西参道を疲れきりボーっと登って、何故か東照宮へ迷い込む。意識朦朧。
二荒山神社の駐車場に座り込み、残ったジュースを飲み干す。


体力測定の結果、ほぼ従来どおりの体力であることが判明。
喜んでよいのか、悲しむべきか。