山行日:2009.5.9
目的地:中禅寺湖~鳴虫山
コース:出遅れのため、日足トンネル(9:45)~細尾峠(10:30)~(11:10)薬師岳(11:25)~(12:30)丸山(13:20)~大木戸山(13:45)~三の宿山(14:15)1158m峰(15:00)~滝ヶ原峠(16:00敗走)~ヤシオの湯~丹勢バス停(17:00)


最近、なぜか三峰五禅頂に心を引かれる。特に夏峰に惹かれる。日光フリークで歴史好きな人ならば気に留まる文字だろう。
三峰五禅頂をインターネットで調べると、平安時代または鎌倉時代に成立した回峰修行のようだ。

三峰五禅頂回峰コース 
華供峰(春峰):古峰ヶ原~深山宿~薬師岳~細尾峠~歌ヶ浜~諸堂参詣
夏峰:神橋~大谷川南岸の峰~歌ヶ浜~黒桧岳~千手ヶ浜~宿堂坊山~錫ヶ岳~
   白根山~温泉ヶ岳~(不明)~日光表連峰~女峰山~神橋
惣禅頂(秋峰):行者堂~女峰山・小真名・大真名・男体山~中禅寺湖~山内
冬峰:四本龍寺~深山宿~薬師岳~滝ヶ原峠~鳴虫山~化星の宿~星の宿
 
(上記に間違え、思い違いがあるやもしれません)

全く宗教心に欠けているのだが、何故か心惹かれる。
夏峰の回峰コースは神橋起点の大谷川流域の(ほぼ)全山踏破であると推定される。
夏峰の回峰は遭難者が続出し、室町時代に停止されたようだ。尤もだ。

夏峰に惹かれたとは云え、おいらの実力ではとても踏破することは不可能だ。夏峰のルートで不明部分があるとしても夏峰を意図し踏破したというネット上の記録はまだ見出せていない。

前置きが長すぎる! 
そんな・こんなを朦朧と考えながら、今回のコースに出かけてみたのだが。

最寄駅で電車を待っていると、乗らなければ行けない快速電車が快音を轟かせて通過していった。
唖然として見送る。
春日部に出て次の快速電車を待つこと50分。早くも今日の目論見はついえた。

快速電車の中で今日のルート変更を考えた。中禅寺湖出発から、細尾峠出発に縮小しようと。三峰五禅頂どころでは無くなった。

日光の駅で足尾行きのバス乗り場に行くと、この時間のバスは無かった。タクシー乗り場に急行。
タクシーの運ちゃんイワク。「細尾峠には日足トンネルの向こう側からしか登れないよ」
「えっ、日光側からクルクルっと登れるでしょ」「いや、道が崩れてクルクルっと行けないんですよ」
「じゃぁ、しょうがないですねー」とトンネルをくぐり、旧国道に入った。その瞬間、バリケードが道を塞いでいるのが見えた。看板に‘人・自転車も通行止め’とあった。運ちゃんが申し訳なさそうな顔をした。修行不足なので渋り顔となり、料金を支払った。

ここから、細尾峠には人には言えないルートで登った。

細尾峠に喘ぎながら登り着くと、峠には車が満ち満ちていた。日光側からなら登れたのだ。修行不足のおいらは怒り心頭。

暑い。峠で水をカブ飲みしていると、オッサンが茶の木平からやって来た。小来川出身の人だった。この辺でいい所がないかと聞くと、「社山から黒桧岳」と答えた。おおっ!!同感だ!それにこのオッサン、おいらが若かりしころ使っていたザックを背負っていた。ボロボロのザック。波長が合う。薬師岳まで同行。
薬師岳の道は新緑でむせ返るようだ。


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ミツバツツジが咲き始めていた


登るに従い、新緑は勢いを減らしてきた。


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すると、アカヤシオの残骸が


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いや、ちらほらと


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けっこう咲いている


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いい感じで  


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薬師岳山頂に到着 男体山と女峰山


取り敢えず、アカヤシオを拝めた。今日の吉事!機嫌を直そう。華供峰と言いたい所だが、おいらは余りに俗物過ぎる。

ここでオッサンは古峰ヶ原に向かった。
おいらは丸山・鳴虫山に向かった。

二組ほどすれ違った。すごいコースを登ってきたなぁと思ったが、聞くと大木戸山ピストンだそうだ。


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薬師岳の下りでも、盛りを過ぎたとは云え咲いていた

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シロヤシオがポツラポツラと現れると丸山だった

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丸山はシロヤシオの蕾だらけ  咲いたら見事だろう


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目を凝らすと、山陰に日光白根山が見えた


遅い昼飯を食っていると、大木戸山から2名やって来た。「この辺でいいところはないか」と聞かれたので、即「社山~黒桧岳」と答えた。

腰を上げるとすでに足は重かった。疲れると写真を撮る時間が長くなる。

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名も知らぬ花を撮る  


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大木戸山を越えるとこれから辿る尾根が見える。


大木戸山の先で道が二分する。縦走路は左手に直角に曲がる。標識もなく迷いやすい所だが、左手にはより多くのテープが巻いてある。


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三の宿峠に降りつくと、石祠が ここに来るまでの間にも同形のものがいくつかあった
回峰の名残か?

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登り返すと三の宿山だ 長細い平坦な峰だ 


頂上直下にも平坦地があり、宿の名残かなぁなどと勝手に思いを馳せる。


さらに重くなった足を引きずり尾根道を進む。ここら辺りには誰もいない。


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1158m峰で細尾峠以来の標識に出会う


1158m峰から杉林が散見される。そういえば、今日はここまで全く杉林を見ていなかった。
急坂を下り、小峰を巻く。道が二分するが、左手に進む。道がやや不明瞭となる。大きめの石祠が現れ、この手前の踏み跡に沿い藪を少しこぎながら進むと滝ヶ原峠の車道に飛び出した。


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滝ヶ原峠 登山口に標識は無い  


滝ヶ原峠で鳴虫山の取り付きを捜すが見つからない。峠のサイドはコンクリートの法面となっている。うろうろと捜すが見つからない。法面の弱点部があるのでここを登ろうかなと取り付きかけると、一台の車が止まってこちらを見ている。やめよーかなぁ。
車が行き過ぎたので再び取り付こうとするとパトカーがやって来た。やめよーっ。
へなへなと座り込み水をカブ飲みした。


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車道下りを選択  女峰山を見ながら下る


丹勢バス停に着くと、30秒と待たずにバスがやって来た。
日光駅前のそば屋でビールを飲みながらオヤジが取って来たという山菜をつまんだ。
三峰五禅頂はいつしか脳裏から消えていた。