山行日:2008.8.3
目的地:白根隠山
コース:菅沼茶屋(6:00)~金精峠~金精山~五色山~前白根山~非難小屋分岐~白根隠山~非難小屋分岐~非難小屋~日光白根山(12:15)~弥陀ヶ池~菅沼茶屋(14:40)


どこか涼しいところへ行きたいと思い、地図を眺めていたら、白根隠山が目に飛び込んできた。
白根隠山と言うからには、日光白根山を隠すようにたたずんでいるのだろう。とりあえず、白根隠山に登り、さらに日光白根山に行き、隠し山がどのあたりからの風景で白根山を隠しているのか確認してみようと思ってしまった。

めずらしく早起きに成功し、6時に菅沼茶屋を出発。すでに駐車スペースは満杯寸前であった。しかし、金精峠に向かう人は見当たらない。歩き始めこそヒンヤリしていたが、すぐに汗みどろとなり、いつもの通りピッチは上がらない。峠に着く頃にはへばっていた。
峠からはなだらかな温泉岳?といきり立った金精様が迎えてくれた。残念ながら表日光の山々は逆光がきつく良く見えない。


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金精峠からの金精山


金精山を見ただけで、その険しさに尻込みをしてしまう。幸い登山道は西面を迂回しており、急傾斜と言えども、事なきを得た。金精山の山頂からは、残念ながらその急崖を覗くことはできなかった。
金精山を越えると、道はなだらかとなり国境平を経て五色山に至った。どーんと、日光白根山が現れた。群青色の五色沼との取り合わせは、関東有数の眺めと言っても過言ではないと思います。


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日光白根と五色沼


眺めの良さに足元がおぼつかないくらいだ。小さく降り、登り返すと前白根の山頂だ。ここには無木立ちで特に眺めが良い。これから行く白根隠山やその先の群馬、栃木の県界尾根の強面の山々が見える。前白根のザレた道を下ると駒草が咲いていた。あたりを見回してみるともう一株あったが、生き残れるのか心配だ。


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急なガレ場を過ぎると避難小屋との分岐はすぐだった。白根隠山への踏み跡には枯れ木が積み上げられ、「入っちゃいけませんよ」的な雰囲気を醸していた。隠し山へのルートは
白樺林に苔と芝が生えたこの上なく歩きやすい道であった。ルートも不鮮明というほどのことは無い。白樺林を抜けると、不審な廃屋寸前の小屋が建っていた。ロケーションは申し分ない所だ。


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この小屋を過ぎると、芝の草原となった。日光白根山の右手に燧ケ岳が見え、なんと五色沼との競演となった。

小さなピークを越え、少し下ると隠し山への最後の急登だ。唯一ここだけはルートが見極めにくい。チョット迷えばすぐに分かるはずだ。山頂は小さなケルンが立つ無木立ちの草原だ。すばらしい展望が広がっている。この先の群馬・栃木県界尾根は壮絶なヤブになっているらしいが、ここからは全く想像できない。分かった山だけでも表日光、錫ヶ岳~皇海山、武尊山など。そして夏だと言うのに雲の上にヒョコリと富士山のテッペン付近が浮かんでいた。


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白根隠山からの展望 表日光の揃い踏み


誰も居ない隠し山を後に、避難小屋分岐に戻る。避難小屋分岐から隠し山までの所要時間は、登り35分、降り25分だった。
避難小屋から日光白根山の登りは例によって、白ザレたいやな登りだ。上から人がどんどん降りてくる。登り優先とはいえ、この登りで道を譲られるとつらい。正午の陽を浴びてへとへとで山頂に到着。
さて白根隠山の姿を写真に収めねば。日光白根山を訪れた登山者の中で、隠し山の姿を認識した人がいかほどいただろうか。おいらだって昨日の晩までその存在すら知らなかったのだから。
日光白根山からの展望は言うまでもなくすばらしいものであった。そんな中で、白根隠山は物陰に隠れるようにひっそりとその緑の緩やかな山頂付近だけを見せてくれていた。


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中央の山頂だけ見えている白っぽい山が、白根隠山。他の山々に比べてあまりにも地味


白根隠山が白根山を隠している地域は
  ①中禅寺湖千手ヶ浜付近
  ②西の海周辺
  ③小田代付近
の極限られた地域ではないかと思われます。